第8章 ついに来た戦闘訓練!!後編
その後、オールマイトの質問攻めに耐えかねた出久はゆっくりとかっちゃんに言ったことを説明した。
オールマイトが出久にこの力についてどれ程大事なのか説明し、改めて他言無用の約束をして一通り話終わったあと
一心は個性を一度リセットしてから再び発動し気配を消して物陰から姿を現しゆっくりと出久に近付いた。
怪我の部分に当たらないようにしながら後ろから腕を回す
「うわ!!」
ビクンッと体を震わせる出久
「あれ?出久こんな所で何してんだ?ってか腕も直ってないんだな!」
「い、いいいいい、一心君?!いつから居たの?!」
「ん?さっき校舎から出たとこだったけど…オールマイトと何を話してたんだ?」
「いや、あの!その!!そ、そう!!怪我の事とか今日みんなどんな感じだったのかな〜とか!」
「……そっか!!」
一心がニコッと笑うと出久の体の力が抜けるのがわかった。その後にじーっと一心はオールマイトを見つめる。
すると、一心の言いたいことが分かったのかフツフツとした怒りをキャッチしたオールマイトは冷や汗をダラダラと垂らした。
(ちゃんと釘を打たなかったからこんなことになったんだぞ〜…)
と思いながらジトーと見つめる。
「………ウッ」
(更に言うならば、こんな所で話すオールマイトもオールマイトだよ出久の事言えてないよ俺みたいに聞いてるやついるかもよ…ねぇねぇねぇ)
さらにジトトトトーと見つめる
「…………スマナイ」
カタカタカタカタカタとオールマイトが震える。
(オールマイトが震えてる!?何したの?!一心君?!)
出久と一心の目が合うとニコッといつもの笑顔を浮かべ出久の頭をヨシヨシと撫でる。
(なんか…うん、落ち着く…)
出久がホワホワとしていると一心がそうだったと言いながら鞄の中からノートを取り出す。
「ほい、今日の授業の事書いてあるから、ちゃんと目を通せよ!俺の訓練中は飯田に書いてもらったから後で飯田にも礼言っとけよ」
「わぁぁあ!!良いの?!ほんっっっとうにありがとう!!家宝にするね!!」
「いや、もっと別n…」
出久のキラキラした嬉しそうな顔を見ると一心は何も言えなくなった。
(まぁ…いっか)
フッと笑みを浮かべてから、出久の腕をジッと見つめた。そして自分自身の体調を一度確かめる
(……これなら大丈夫だ)