第8章 ついに来た戦闘訓練!!後編
身体から嫌な汗がドバッと吹き出す。
(オールマイトにはまだ誰が継承者か聞いてなかった。…けど確信を持って出久だと思ってた。でも改めて本人から口に出されるとさぁ〜……さぁ〜!)
どうしようどうしようと頭が混乱してくる。
混乱してる間にも出久はどんどんと話して言ってしまう。
「いつかちゃんと自分のモノにして『僕の力』で君を超えるよ」
(それは俺も全力で応援するけど…!!!)
物陰からこっそりと顔を出し視力を上げると、爆豪は何言ってんだこいつみたいな顔をしている。
けれどその顔もすぐさま崩れギチギチと違う感情が溢れ出ていた。
「なんだそりゃ……?借りモノ……?わけわかんねぇ事言って……これ以上コケにしてどうするつもりだ……なぁ?!
だからなんだ?!今日俺はてめぇに負けた!!そんだけだろうが!!そんだけ……」
爆豪の言葉に一心の焦りはフッとかき消され、静かに聞いた。
轟の個性を見てかなわないと思った事、八百万の言葉を聞いて納得した事それから……
「クソ!クソッ!!あいつが…!!一心が知らねぇうちに遠くなっちまった!!俺は……せっかく……!!クソッ!!」
(……俺の事だ)
「クソが!!てめぇもだ……!デク!!
こっからだ!!俺は……!!こっから……!!いいか?!俺はここで1番になってやる!!」
その言葉一つ一つに爆豪の悔しさと決意が痛いほど溢れ出ていた。
「俺に勝つなんて二度とねぇからな!!クソが!!」
そう言いながら爆豪は歩き出し目に溜まった悔しさを手で拭う。
(…………。)
一心は二人を見届けゆっくりとその場を去ろうとした時
「いた……爆!豪!!少年!!!」
オールマイトが走ってきて爆豪の肩を掴んだ。
(オールマイトぉ〜今じゃねぇんだよぉ〜!!)
ギュゥゥッと口を閉じながらプルプルと震える一心を他所に、オールマイトは自尊心は大事だと言っているが……
「離してくれよオールマイト歩けねぇ
言われなくても!!俺はあんたをも超えるヒーローになる!」
「あ……うん……」
爆豪の言葉に動揺しながらもオールマイトは肩から手を退け、爆豪の後ろ姿を見送り近くにいた出久に何を話してたのかと質問攻めをする。