第8章 ついに来た戦闘訓練!!後編
その音にバッと目を開く一心
((((あ〜〜……))))
女子は残念とばかりにため息を吐き、爆豪と一心を除く男子も心の中でため息を吐いた。
爆豪は鞄を持ち立ち上がると、教室を出て行こうとしていた。みんなは爆豪を止めるも黙って言ってしまう。一心は慌てて鞄を持ち立ち上がり
「ごめん!また明日!」
と言いながら爆豪を追いかけた。
…………。
長い廊下を少し走り、爆豪に追い付きそうな一心は笑みを浮かべて声をかけた。
「爆豪〜!一緒に帰るって約s」
「付いてくんじゃねぇ!」
その言葉に一心はピタッと足を止める。
(本気で付いてきて欲しくないみたいだ…)
「……ん!わかった、また明日な」
そう言うと爆豪は少し一心に振り向こうとしたが、途中で辞めまた歩き出し、
一心は何処かで時間を潰そうと思い来た道を引き返した。
………………。
そして現在、教室に帰らずに大きな窓の前でボーッと立ちながら校舎の外を歩いている爆豪の後ろ姿を見つめている。
(あ〜、一緒に帰ろうって約束してたのになぁ〜…それと出久に書いたノートカバン入れっぱなしで来ちゃうし…今日俺のメンタルボロボロだ…)
盛大にため息を付き、ゴンッと窓に頭をぶつけた。
そんな中、爆豪に一人の少年が走っていくのが見えた
(……ん?……ん???あれ、出久…?腕治ってない!流石に一日じゃ治らねぇか〜…っていやいやそれは置いといて……!)
一心は胸のざわめきを感じ、個性を使い一気に駆け出した。
別の出口から校舎の外に出て個性で気配を殺しながら物陰に隠れ、自分の聴覚を上げる。
(本当は盗み聞きとかしたくないんだけど…ごめん!俺の勘違いだったら速攻で帰るから!!
いやでも多分俺の勘違いでしょ…そんなまさかさ〜…うんうん……)
と心の中で二人に謝り、自分の予想をナイナイナイと否定する。
暫くの沈黙の後出久は口を開いた。
「これだけは君に言わなきゃいけないと思って……
僕の個性は人から授かった『個性』なんだ」
その言葉にピシャーンッ!と雷を撃たれたかのような衝撃が走る。
(言っちゃったよぉ!オールマイト〜?!オールマイト〜?!?!
どうしよ?!今から出て止めに行く?!いやそれの方が怪しいだろ?!)