第7章 ついに来た戦闘訓練!!前編
けれど、二人の表情を見てわかった
(これは止めちゃいけないんだ
きっと…それが……二人のために……)
出久がワンフォーオールを使う。腕一本丸々潰す覚悟でそれを爆豪は迎え撃つ
「先生ヤバそうだってこれ!!先生!!!」
切島が声を張り上げ説得する。
「双方…中ッ」
だが、その言葉は途中で中断される。
二人の個性がぶつかり合うと思ったが出久はワンフォーオールを天井に向け、天井を壊した破片を麗日がビルの柱を無重力にし持ち上げ、それをバットの様に振った。破片が飯田の方に向い、両腕でガードしている隙をついて麗日は自身の体を浮かせ核を回収した。
一心はその流れを目を丸くさせ瞳を揺らしながら見ていた。
全員時が止まったように動けず何も言えず、タイムアップのアラームがビーッとなった。
『ヒーロー…ヒーローチーム……』
ゆっくりと出久の体が傾き、倒れ始める。
その体を一心がそっと抱き抱えた。
「WIIIIIIIIIIN!!!!」
オールマイト声と共に全員の時が動き始める。
モニタールームではいつの間に一心移動したんだという声と四人の試合について語っていた。
「……出久、お疲れ様…ちゃんと見てたよ」
気を失っている出久にそう声をかけ、やってきたハンソーロボに乗せてやりオールマイトと並んで見送った。
爆豪の方を見てみると右手を見ながらフルフルと体を震わせていた。そして、次第に呼吸が荒くなっていく
(爆豪……)
声をかけようとした時オールマイトに阻止される。
オールマイト自らが爆豪のそばに行き手をポンッと肩に乗せた。
「戻るぞ、爆豪少年。講評の時間だ
勝ったにせよ負けたにせよ経験っていうのは活きるんだ」
オールマイトは一心にも声をかけようとしたがその場にはもう彼の姿はなかった。
……………。
モニタールームにて…
「まぁつっても…今戦のベストは飯田少年だがな!」
その言葉に飯田自身が驚いている。
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」
梅雨ちゃんがそう質問するとわかる人〜!とオールマイトが挙手制を取る。すると手を挙げたのは八百万だった。
八百万はズバズバと容赦なく言葉を発する。