第7章 ついに来た戦闘訓練!!前編
モニタールームに到着後、五分が経過した。
ついに始まった屋内対人戦闘訓練
(俺の不安要素は一つ消えたけどもう二つ…爆豪と出久だ……大丈夫、オールマイトがやり過ぎれば止めるよ…そう、大丈夫…
それと…緑谷のワンフォーオール…出来れば使って欲しくないけど…そうも言えない雰囲気だった。)
一心は少し深呼吸をし、思考を整える。
「さぁ、君たちも考えるんだぞ!」
そう言いながら耳に小型無線機を取り付け採点を始めるオールマイト
ヒーロー側の麗日と出久は建物に侵入…そしてすぐに爆豪の襲撃、何とか出久は避けなんと爆豪を背負い投げした。
(……!!凄い…)
ザワザワと盛り上がるモニタールーム
定点カメラであり、音声が無いため会話は聞き取れない。オールマイトのみが小型無線機で会話がわかる状態だ。
もう既に二人は燃え上がり、爆豪は怒りまくってるのが見て取れる。麗日は先に核の確保へ行くため出久と別れるが爆豪はずっと出久を追いかけている。
正直連携もクソもないと言った具合だ。
時間が少しずつ経過する中なにやら爆豪が右手を伸ばし篭手を弄り始める。それを見たオールマイトがなにやら慌てだした。
「爆豪少年ストップだ!殺す気か?!」
オールマイトの言葉すらも聞かずに篭手からぶっぱなされたそれは建物を一部勢い良く吹き飛ばした。
建物が激しく揺れる。
「緑谷少年!!」
激しい破壊力はあったものの出久には当たってはいなかった。
止めた方がいいという生徒の言葉もあったが、オールマイトは爆豪に注意と大幅減点をし中止にはしなかった。
篭手は使わず殴り合いを始めた爆豪
出久はなんとか反撃しようとするが先程とは違う動きで攻撃を仕掛ける爆豪。
みんなが言うように爆豪はセンスの塊だ。
「………ッ」
「言葉大丈夫か?」
一心は自身の唇を噛み締め、血を流していた。
「大丈夫…尾白ありがとう」
指先で流れた血を拭き取る。
(俺は今葛藤をしている。オールマイトはきっと止めない。けれど、止めに行かなきゃやばいと分かってる……でも、でも…)
『一心君僕の事見ててね』
(またあんな目をされて言われた)
『爆豪もしっかり見てるからな』
(見ていると言ってしまった。
どれが正しいのかわからない。わからないんだ。
体が……動かない)