第6章 突如現れた?!性別不明その名は……
………………。
(……寝れない)
焦れば焦るだけ眠れなくなる。そこで僕の考えた答えは
(オールマイトの動画を見ること!!気持ちを切り替えれば眠れるようになるかもしれない!)
イヤホンを付けて早速スマホで動画サイトを開く
(……ん?)
そこで目にしたのは真っ暗なサムネイルが無い動画。それが一つではなく十種類、投稿アカウントは全部同じ。今日投稿したばかりの動画なのに既に何千万という再生がされていた。
名前はNo.1〜No.10に分けられている。
僕はNo.1の題名の動画をタップした。
「………………!!!!」
僕は目を丸くさせ、息を吸う事も忘れた。
そこから流れてきたのは歌声だった。
動画投稿主の名前は『マイト』
(僕は……この歌声を知っている)
……………………。
次の日
いつの間にかあれから眠っていた僕は無事に寝不足を回避することが出来た。
僕は教室のドアを開ける。
教室ではみんな興奮した様子でNo.を口にする。
その中には動画投稿者本人もいた。
それは僕が大好きでやまない人
尊敬が止まらない人
隣に、傍にずっと居たいと思う人
僕を無個性でも
"ヒーローになれる”
と言ってくれた君
「一心君おはよう! この動画ってk」
振り返った君は僕の口を閉じさせるようにギュッと抱きしめた。
(……?!?!)
顔を上げ君の顔を見た。
その顔は赤面し、口をキュッと閉じ若干目尻に涙が出ていた。
(可”愛”い”!!!!
じゃなかった!!!もしかしなくても『秘密』にして!!ってことだよね!!)
僕が小さくコクコクと頷くとホッと胸を撫で下ろしていた。クラスメイトに声をかけられ、僕も『マイト』の話に引きずり込まれる。
(僕と二人の『秘密』……
いや、二人じゃなくて……
三人……かな)
チラッとかっちゃんの方を見た。
目線は会わなかったけど
心では合った気がした。