第6章 突如現れた?!性別不明その名は……
出久side
入学初日下校後、明日の支度を終えた僕はベッドに横になり片手に一心君に貸して貰ったハンカチを握っていた。
家に帰って直ぐに洗濯して凄く綺麗にアイロンを掛けたハンカチ…これを見つめる毎に今日起こったことを思い出す。
笑った事、話した事、声、言葉、体温、身体の輪郭、撫でられた感触、触れた感触、匂い、表情……
……一心君の全て
「……はぁぁぁぁぁあああ」
深いため息が出る。
(一心君がまさか記憶が無くなっていたなんて思わなかった。原因はなに?いつから?何処までの記憶が無いの?あの日別れた時から君は何をしてどう過ごして何を感じてきたの?……君の全てを知りたい)
ピコンッ
スマホの通知音にビクッとする。見てみると一心君の文字が……!!しかし、それはメッセージではなくグループに招待したという連絡だった
期待と違う物が来て正直ガッカリした…
そういえば、そんな事帰り道で言っていたなぁと思いながらグループに参加する。
⟬一心君招待ありがとう!みんなよろしくね⟭
僕のコメントを見た人はリアクションを送ってくれる。
(一心君にも何か…送りたい!待ってるだけじゃダメだよね)
そんな事を思いながら文章を打っては消すを繰り返す。
(まずは…こ、ここここここんばんはってu)
⟬出久やっほ〜!⟭
「うわ!?」
(一心君から連絡来ちゃった!!やばい!!既読すぐ着いちゃった!!変に思われないかな?!)
⟬ノートに今日撮った写真載せたんだ!と言っても出久が写ってるやつ一枚しかないんだけど!
これはこっちに送りたくてさ⟭
「うぉあああああああ!!」
送ってきた写真に思わず声が溢れ出る。
すると、ドアをコンコンとノックする音が
「出久〜?大丈夫?」
僕の声が聞こえたのかお母さんが心配しに来てくれた。
「だ、だだだだだ!大丈夫!!ごめんねお母さん!!」
それならいいんだけど…と言って僕の部屋を離れていく……
僕は枕に突っ伏して止まらない歓喜の声をぶつける。そして我に返り正座し一心君にメッセージを送る。
⟬ありがとう!家宝n⟭
削除削除……
⟬ありがとう!大事にするね⟭
⟬うん! それじゃまた明日!⟭
オールマイト高笑いスタンプ
(僕もそれ持ってるぅぅぅううぅぅううう!!)
⟬また明日!おやすみ⟭
オールマイトおやすみスタンプ
