第2章 試験日当日!!
のだが、何故か緑髪の少年の体は浮いていた。
一心と緑髪の少年がポカーンとしていると隣にいた茶色い髪の少女は
「大丈夫?」
と声をかける。その瞬間
「ぇ、ぇえええええええ?!」
「う、浮いてるぅぅぅぅ!!」
緑髪の少年は驚きの声を一心は興奮した声を出す。
一心はハッと我に帰り緑髪の少年を立たせた。
未だに緑髪の少年は頭真っ白という風だ。
「君の個性だよね! 凄いなぁ!」
「えへへ〜!ありがとう」
茶色い髪の少女は両手を合わせると
「ごめんね勝手に。でも、転んじゃったら縁起悪いもんね!」
それでもポカーンとしている緑髪の少年に思わず一心はプッ!と笑ってしまう。
「緊張するよね〜♪」
それとは真逆に茶色い髪の少女はホワホワとした口調で話す。石の様になっている少年の頭に一心が手をぽふっと置くと電池が入った玩具のようにハワハワと動き出す。
「お互い頑張ろうな!」
一心は満面の笑みを浮かべると茶色い髪の少女は時が止まったように目を丸くさせた。
(イケメンがおる!!)
茶色い髪の少女は我に帰ると
「うん! 頑張ろ!」
良い笑顔で笑い返した。
踵を返しトコトコと歩き出す。そんな中茶色い髪の少女は
(めっっちゃ緊張した〜!! 心臓取られたかと思った!!)
と思っていた。
一心はそう思われてる事を知る訳もなく
「転ばなくてy……。」
(凄い滅茶苦茶目をキラキラさせてる!!良い笑顔だな!!)
緑髪の少年はハッと我に返り一心の顔を見る。
「さっきはありがとう!助かっ……た……よ……」
「…………??」
再び緑髪の少年は動きが止まってしまう。
「大丈夫か?」
「あ……うん」
何処かぎこちない返事に一心の頭の中にはハテナがいっぱい増える
(よく分かんねぇけど怪我がなくて良かった!!)
「それじゃ俺も行くわ! お互い頑張ろうな!」
また頭をポンポンと触りヒラヒラと手を振りながらその場を離れた。
その後ろ姿を見ながら緑髪の少年は
「………………。
………………………一心……君?」
そう呟いた。
その言葉は一心に聞こえることは無く間もなく説明会が始まろうとしていた。