第4章 入学初日……??
「わかった!!」
「約束破ったら、無理矢理にでも電車通学にするからね!」
「わかった! 約束する!」
ニヒッと笑う言葉少年にやれやれと内心思うが、やはりヒーロー志望なんだなと思う。
「オールマイト、俺そろそろ行くから!トイレも先に行っときたいし!」
言葉少年はソファーから立ち上がるとブランケットを畳み、早々に準備を済ませ部屋から出て行こうとする後ろ姿に声をかける。
「待ちなさい、寝癖…付いてるぞ」
「え?!鏡ある?!」
「こっちに来なさい、直してあげるから」
立ち上がった私の前にやってきた言葉少年は直してくれと言わんばかりに目をギュッと瞑る。
そんな彼の頭をサワサワと優しく触る。
(あの頃から随分と身長が伸びて大きくなったな…
……本当は寝癖なんてないんだけど、やはり人間というのは次から次へと欲が出てくるな。
理由もなくただ君を
『撫でたい』
と思ってしまったんだ…
…私はズルい大人だな)
「オールマイト〜直った〜?」
「……! あぁ! 直ったぞ!」
頭から手を離した所で言葉少年に手を掴まれる。
「…ッ?!」
そのまま言葉少年の頬に持ってかれ小動物の様に私の手の平に頬ずりをした。
(……?!?!)
私は身体が石のように硬くなり、ただその光景を見る事しか出来なかった。言葉少年は頬ずりをやめ、ただ私の手の平に頬を触れさせている。
「ふぅ……やっぱりオールマイトの手は落ち着くな!
俺この手大好きだ!」
瞑っていた目を開き満面の笑みを浮かべる。言葉少年は満足したのかゆっくり手を離すと早々にドアの方に向かってしまう。
「オールマイトまた後で!
…っと、そっか…!オールマイトも先生になる訳だから『オールマイト先生』か!!」
ヘヘッと笑ってからそれじゃ!という風に手をヒラヒラとさせ部屋から出ていった。
私はというとただ一人あのまま動けずに立ち尽くしている。
(え?何今の…え?……
よく若い子がよく分からない言葉を発する時がある…いつもなんで?!って思うんだけど…今、彼彼女らの言葉の意味がわかった…)
「……スー…ハー…」
(と"う"と"す"ぎ"て"キ"レ"そ"う"!"!"
な"に"い"ま"の"?"!"?"!")
「グハァ!!」
思いっきり吐血した。