第17章 忘れられない水曜日 中編
「………。」
一心はポカーンとしてしまう。
(な、んだ…それだけか……そっかぁぁぁぁ〜!!良かったぁぁぁぁあああ!!勘ぐりすぎてた俺恥ずかし!!)
思わず盛大に息を吐き出した。
「……言葉、大丈夫か?」
隣に座っていた轟が首を傾げながら聞く
「あ!!大丈夫大丈夫!ごめん邪魔だったよな!すぐ降りる!」
一心もサッサとバスを後にした。轟は目を少し丸くしながらその後ろ姿を見送る。
(……。いや、別に邪魔とは思ってねぇけど)
そんな事を考えながらバスを降りた。
………………。
バスを降りると、白いモコッとした宇宙服を身にまとったヒーローが出迎えてくれた。
「皆さん待ってましたよ!」
そのヒーローは13号……災害救助でめざましい活動をしているヒーローだ
13号の姿を見た皆はザワついた。麗日は相当好きだったようで凄くはしゃぎ、出久も感極まっている。
「早速中に入りましょう」
13号の言葉に皆で「よろしくお願いします!!」と言った。
中に入った皆は息を飲んだ。
「すっげーーー!!USJかよ?!」
と切島が声を上げた。
この施設はあらゆる事故や災害を想定し13号が作り上げた演習場だ。
「その名もウソや災害の事故ルーム!!
略してUSJ!!!」
((((((((((本当にUSJだった……))))))))))
と心の中で一心を除く皆はそう思った。そして一心はというと…
(オールマイトは来てないのかな?後から私が来たスタイルか?)
と考えていた。
疑問に思ったのは相澤も同じだったようで、13号に話しかける。それを一心は見逃さずに個性で自身の聴覚を上げる。
そして二人の会話を聞いて来ない事に納得……
(なるほど、活動限界までヒーロー活動してたのか……オールマイトらしい)
そんな事を思っていると相澤からピリッと警戒心と緊張感が伝わった。
(……。イレイザーヘッドバスに乗ってからずっとこれだ。校舎から離れるにつれてどんどん強くなってきてる……)
そんな事を考えながらも一心は表には出さない。
授業はオールマイト抜きで始まった。
「えー始める前にお小言を一つ二つ…三つ……四つ五つ……六つ……」
(((((((((((((((((((((増える……)))))))))))))))))))))
13号は個性について話し始めた。