第17章 忘れられない水曜日 中編
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noside
時刻PM0:50……授業が始まるチャイムが鳴る
生徒達は席に着き、相澤は教壇に上がった。
「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイトそしてもう一人の三人体制で見る事になった」
一部の生徒はその言葉に少し疑問を持ち、一心はもう一人の先生はあの人かと予想がついていた。
瀬呂は元気に手を挙げ何するのかと聞くと、相澤はRESCUEと書かれた札をビシッと前に突き出した。
「災害水難なんでもござれ【人命救助訓練】だ!!」
その言葉に生徒達がザワつく
「レスキュー……今回も大変そうだな」「ねー!!」「バカおめーこれこそヒーローの本文だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」「水難なら私の独壇場ケロケロ」
相澤は騒がしくなる空間に「おいまだ途中」と言い生徒に切り替えさせる。
今回コスチュームの着用の判断は自由な事と訓練場は少し離れているためバスで移動する事を伝え準備開始を宣言した。
ゾロゾロ生徒達は動き出し、各々コスチュームが入った鞄を取りに行く。
一心は気合いを入れギュッと握り拳を作っている出久の頭を軽く撫でる。すると自分の世界に入っていたせいか凄く驚きながらも一心に出久は微笑む。
「レスキュー訓練楽しみだな!早く更衣室行こうぜ?」
出久は「うん!」と頷きながら荷物を持ち一心達と教室を後にした。
…………。
更衣室にて
各自着替えをして行く中……一心はシャツのボタンを上手く外せないでいた。
「震えない…震えない…」
(ふぅ……落ち着け、震えるな……ックソ!副作用で指先に力が入りずらいな…)
ブツブツと誰にも聞こえない声で呟き個性で何とか震えを抑えながらやっと一つボタンを外せた。一心は上手く出来ない自分に苛立ち溜息を吐くと、隣から強烈な視線を感じた。
出久がこちらをジーッと見ていたのだ。集中しすぎて気付かなかったようだ……いつから見てたんだろうと一心は少し息を飲みながらいつもの調子で話す
「そういや、コスチュームまだ修復中なんだっけ?早く戻ってくるといいな!」
「……うん、まだ時間がかかるみたいだよ。それよりも、一心君……本当はまだ体調悪いんじゃ……」
「あ〜そうじゃなくてちょっと緊張してるみたいでさ、武者震いって奴?妙に気が散ってるみたいで……あと妙に部屋暑くないか?俺が燃えてるだけか!」
一心はタハハ…と笑う