第17章 忘れられない水曜日 中編
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一心side
俺は自分の荷物を抱え、出久のノートを大事に大事に大事に抱えながら廊下を歩く。
けれど、その足取りは徐々に重くなりそれと同時に心に黒い物がズシッと乗っかるような感じがした。
その重りを吐き出す様に壮大な溜息を一つ大きくつく
「………。」
(さっき、イレイザーヘッドからすげぇ苦しいような感じがしてたのって……俺のせい……だよなきっと……)
『……よし!写し終わった〜!イrじゃなくて相澤……先生?……。……相澤先生……大丈…夫……じゃ、ないよね?……。
………。……あ。…………。
イレイザー……ヘッド……
ごめん』
俺はさっきのイレイザーヘッドの様子を思い出しながらまた一つ溜息を吐く
(俺の考えすぎかな……
な、わけない……か……。きっと俺のせいだ……
またイレイザーヘッドにも……迷惑かけちょったな……皆にも迷惑かけちゃったし……
……。
……俺のした事は間違いだったのかな?皆ならもっと上手くやれてあの人を助けられたのかな……俺のした事は最善じゃなかったのかな?
俺じゃなかったら……あの人は今頃安心して過ごせてたのかな……皆にも迷惑をかけずに済んだかな……)
グルグルと考えが渦巻き、自分にイラつき始めあの感情が手を伸ばしてきた所で俺は頭をブンブンと横に振り深呼吸をした。
(皆がどうとか今更考えても過去は変えられない……あれが最善だったのかはわからない……けど、そう思うしかないよな……。
大丈夫だ、今日一日乗り越えて……0時を回った瞬間イレイザーヘッド達に伝えてあの人を見つけよう、探しに行こう。本当に無事かをこの目で確かめるんだ。
俺に今出来ることはただ、耐える事だ。
そしてその人の安全を祈る事……それだけだ。
そう、それだけだ……考える事は一度後にして今に集中しよう…)
「……よしッ!大丈夫大丈夫!なんとかなる!!気持ち切り替えて行こう!頑張れ一心エイエイオー!!」
足取りと心が一気に軽くなった。自然と表情もいつもと同じように笑顔になり教室へ元気よく足を進めた。
……俺は負の感情全てを見て見ぬふりをした。
朝に感じたあの『嫌な予感』も
変な寒気も……
左腕が少し震えることも……