第17章 忘れられない水曜日 中編
ウヒョー!と舞い上がっている出久を見ながら飯田は突然ハッ!とした顔をし言いずらそうに口を動かす。
「今思ったんだが、スマホで写真を撮れば慌てなくても良かったんじゃないだろうか……」
その言葉に出久と麗日は目を丸くさせ
「「あっ!!確かに!!!」」
と声を揃えた。
「クッ!俺とした事がもっと早く気が付いていれば……!!俺は委員長失格だッッッッ!!」
「ブフッ!真面目過ぎや!」
「え〜っと……と、とりあえず一心君に一応そう連絡しとこうかな?気付いてくれるか分からないけど……」
出久はスマホをポチポチと押し送信する。そして一呼吸置いたあと心底落ち込む飯田を何とかするべく話題を変えてみる事にした。
「と、ところでさ!もしも今日二人のどちらかが一心君にノート見せるって事になってたらどうしてたのかなぁ〜……なんて。僕は別のノート用意したけど……」
その話を聞いた飯田は落ち込む気持ちを何とか切り替えキリッとしながら答える
「俺も別の物に書く予定だったさ。見たからといって全てを理解するのは難しいだろうから分かりずらそうな所は補足や注意書きを付け足したり、テストに出るところなら尚更丁寧に。……まぁ、俺のノートをそのまま渡してもいいが……前のページと比べると明らかに差があり過ぎるからな……。言葉君の事だ……変に申し訳ないとか思ってしまうだろう……」
「「確かに……」」
三人は申し訳なさそうにシュンッとしながらお礼を言う一心を想像し思わず笑ってしまう。
「私も別の物に書くかなぁ〜?飯田君みたいな理由じゃないけど、なんていうか……前のページの字見られるの恥ずかしいっていう理由なだけやけど……」
麗日は少し照れながらそう言い、照れ隠しのように直ぐに「デク君は!?」と話をふった。
「え"っ?!ぼ、ぼぼ僕も!麗日さんと飯田君と同じ……かなぁ……アハハ…」
出久は頬をかきながら苦笑いしそう答えると麗日は「だよね〜」と笑いながら答えた。