第17章 忘れられない水曜日 中編
noside
三限目は何不自由なく授業終了。四限目は次の演習の為に少し早めに終了し、現在いつもより早く短めの昼休み…
一心は出久、飯田、麗日と一緒に食堂で昼飯を食べる……のだが、いつもと違う風景が一つ…
三人は無我夢中で食べ進める一心の姿にポカーンとしながら見つめた。
「「「………。」」」
ガツガツガツガツ
「「「…………。」」」
モリモリモリモリモリ
「「「………………。」」」
水ゴグゴグゴクゴク
「ップハァァアア!!♪生き返る〜!!♪」
満面の笑みで至福ですと言わんばかりの一心の顔に三人はほっこりとしながらも、大食い選手並みにいつもより大量のご飯を食べる姿に驚きが隠せない。
「一心君って……案外大食い?!」
麗日の言葉に一心はハッ!っと我に返り徐々に顔を赤らめ、目を伏せたりキョロキョロと動かしたあと照れ笑いを浮かべ誤魔化すも……
「い、いやぁ〜……なんか今日すごいお腹減ってさ…本当に……今日は特別お腹減ってて……
………。その、うん、すげぇ食べた……」
恥ずかしさが勝ち、何かに観念したかのような顔をしカァ〜ッと更に顔を赤らめた。
その顔を横で真剣に瞬きせずに凝視する出久……
(可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いk(以下略)何その顔?え?何その顔!ダメだよそんな顔しちゃ僕が君を食べt…いやいやいやほらそんな事考えるから僕が!!僕みたいな人もいるから!気をつけなk(以下略)誤魔化そうとしたけど、観念したんだね?可愛いね!そういうとこも本当に大好きだよ!むしろありがとうございます!ご褒美です!誤魔化しきれなかった一心君可愛い可愛い全部の動き見てたよ?目に焼き付けたよ?脳内に保存しまくるしかないよ今のねぇ?!ウヒョー!!)←この間0.3秒
飯田は眼鏡をクイッと触ったあと、助け舟を出すかのように赤面しまくった一心に喋りかける
「食欲がそれだけあるって事は元気になった証だろうから俺は凄く安心したよ。まぁ油断は禁物だが!」
「確かに、そうだな!……。気を付けるよ委員長!」
そう答える一心だったが、心の奥底では不安が過ぎっていた。
(気を付ける……できっと済むレベルじゃないかもしれない……プレゼントマイクみたいに皆に当たったらどうしよう……)
そんな事を考えていると、またあの感情が顔を出すような気がして一心は話を変える。