第16章 忘れられない水曜日 前編
「でも俺やっぱりサボるn」
「Yeah!!そうだそうだサボれサボれ!!ベッドはこっちだぜ!!」
「え、あ、違ッ!!」
俺はサボるのはどうかと思うから教室に戻ると言いたかったのだけれどそれを恐らく察したプレゼントマイクは言葉を被せながら俺の背中をズイズイと押しつつベッドに連れて行く。
「よし、上着脱がすぞ!!」
「プレゼントマイク聞いてよ!ってか自分で出来るよ!」
視線でリカバリーガールに助けを求めるも、諦めなというような優しい笑を浮かべられる。
俺はウグゥ…と唸りながらもプレゼントマイクに上着を剥ぎ取られ、そのままベッドに寝かされ優しく布団をかけられる。
「グッナイリスナー!!」
俺はプレゼントマイクの満面の笑みに逆らうことが出来ず息を一つ吐き渋々目を閉じる。
(されるがままに寝かされたけど全然眠れない……サボってるっていう罪悪感が凄いし……いやでも、リカバリーガールも寝といた方が良いって言ってたし…いやでも…サボる…いや、これはサボりじゃ…いや……あぁ……起きたい……)
薄ら目を開けて見るとサングラスを外し、丸椅子に腰掛けたプレゼントマイクと目が合った。ので、速攻で閉じた…。
寝ようと思えば思うほど目が冴え体に変な力が入る。
(ダメだ……二人には悪いけど、やっぱり教室に戻ろう…その方がいい…)
俺は両目を開け、プレゼントマイクに声をかけようとするも先に口を開いたのはプレゼントマイクの方だった。
「言葉、手貸してみろ」
「……手?」
俺は言われるがまま布団から手を出すと、プレゼントマイクは優しく俺の手を握る。そしてもう片方の手で布団の上から俺のお腹辺りをリズム良く優しく優しくぽんっぽんっと撫で下ろすように触り始めた。
俺はその行動にタハハ…と呆れたように笑う
実は昔、なかなか眠れなかった時にプレゼントマイクはこうやってよく俺を寝かしつけてくれた……
わけだけど……
「プレゼントマイク…俺、高一なんだけど…もうそれじゃ流石に寝れないと思うよ…」
「ふ〜〜〜ん…♪まぁ、そう言わずにとりあえず目閉じてみろよ」
ニマニマ笑うプレゼントマイクに俺はやれやれと思いながら目を閉じる。