第15章 一方その頃、緑谷出久は?
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noside
……時間は過ぎ去りそろそろ教室に向かう時間が迫る
「「「…………。」」」
出久、飯田、麗日は無言でうんともすんとも言わない出久のスマホを見つめる。
「「「…………。」」」
三人はなんとも言えない気持ちでお互いに視線を向け、またスマホに目線を向ける。
「……。来やん、ね…返事…」
麗日の言葉に出久の目からブワッと涙が溢れた。
「い”っ”じ”ん”ぐ”ん”!!!」
「み、緑谷君落ち着きたまえ!!ほら、あれだ!!返事が来ないからと言って怒ってる訳では無いかもしれない!!直接会って話し合いがしたいとかそういうのではないだろうか!!」
「そ、それかお腹痛くてトイレに行ってて返信出来んだけじゃないかなぁ?!ねぇ!!飯田君!!」
「麗日君の言う通りだ!!」
「$#@♪&¥●◆ゝ□▲ヽ〃仝□★〜!!」←翻訳不可能
((だ、ダメそう!!!))
飯田と麗日は出久から視線をずらし小さな声でコソコソと話す
「まさかこんなに深刻だったとは予想外だ…」
「わ、私も…言葉君がこんなに怒ってるやなんて思ってなかった……授業中やっていつも通りやったし
………。あ、でも一限目とかはボーってしてたかも…」
「なんだって?!」
「で、でもでも、そのあとはなんかご機嫌そうだったよ?!」
「そうなのか…。ところで授業中麗日君言葉君をよくm」
「たまたま!!たまたまやから!!!それよりも今はデク君!」
「確かにそれもそうだ…」
飯田と麗日が再び出久を見た時には…居なくなっていた。
「「緑谷君?!/デク君?!」」
慌てて二人は椅子から立ち上がる。
「緑谷君のスマホも食器も無くなってる…教室に戻ったのかもしれない!急ぐぞ麗日君!」
「うん!!」
「けれど廊下を走るのはダメだ!早足で安全に気をつけて行くぞ!」
「ブフォッ!こんな時でもぶれへん飯田君!」
……………。
その頃出久は
(一心君一心君一心君一心君一心君一心君一心君一心君一心君一心君一心君嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ一心君一心君一心君せっかく君と会えたのにもうその笑顔を僕には向けてくれないの?そんなの嫌だ!胸がちぎれそうなぐらい苦しいッ!)
早足に教室に向かうと、廊下で立っている一心を見つけた。姿を見た瞬間少し止まっていたはずの涙が一気に溢れ出し、鼓動がドクンッと大きく鳴った。