第14章 一心の自由気ままな一日
……………。
自転車を押して帰る帰り道、俺は勝己に聞きたいことがあった。
「なぁ、なんで今日昼怒ってたんだ?」
そんな事を聞くとなんとも言えない呆れたような何言ってんだというような複雑な表情を向けてきた。けど、直ぐに不機嫌な顔になり
「うるせえ死ね!!」
いつものように怒鳴られてしまった。
「あの〜…理由教えて貰えたりなんか…」
「自分で考えろや!天然タラシが!!まぁ、考えた所でてめぇの頭に浮かばねぇだろうな!クソが!!」
(教えてくれないんですって…どうしよう…分からないと解決しようがないんだけど…。ん〜〜〜〜…確かに思い当たる節がない…そんなに怒らすような事したかなぁ…とにかくなにか…許してもらいたい……)
「今度食堂奢るっていうのはどう?」
「あ”?んなんで俺の気持ちが収まると思うなよ!てめぇのした事は殴り潰さねぇと気がすまねぇ…!」
両手をボンボン鳴らして目を釣りあげてくる勝己
「殴り潰?!?!…いや、でも…それで勝己が許してくれるなら今殴っても良いよ」
「あ”?!万全じゃねぇテメェ殴っても意味ねぇだろが!舐めた事抜かしてんじゃねぇ!!」
「舐めた事では…。………。今、なんて?」
「あ?てめぇは鳥頭か?数歩歩いたら忘れんのか」
「いや聞いてたけどね?!覚えてるけどね?!耳を疑ったって言うか…今『万全じゃない』って…聞こえたけど」
「…あ?違わねぇだろ。あの程度でゴミみてぇに吹き飛ぶなんざてめぇじゃねぇ。あれがてめぇの実力ってんなら俺は遠の昔に超えてんだよ。超えてる奴にあんな事も言わねぇ」
勝己が真剣な顔して言うもんだから…
(……なんか……。照れるな!!)ニマニマ
「何ニマニマしとんだ気持ち悪ぃ!!そんな顔してる暇あんならクソザコゴミカスをさっさと治せや!!殴り潰せねぇだろが!!」
(こんな事言うけど心配してくれてるのがなんか伝わってくるなぁ…♪)
「わかったわかった!明日まで待っててくれよな♪…そうだ!なんかジュース奢ろっか辛い物も奢るよ」
「要らねぇわ!!真っ直ぐ帰ってさっさと治せや!!」
「…はーい」
渋々と言った返事をする俺に勝己は小さな声で
「……今度奢れや」
と呟いた。俺は笑顔で頷いた