第14章 一心の自由気ままな一日
「返信しなかったのは俺がただ単に見たあと返すの忘れてただけだ…本当にごめん。あの時返してたらこんなに出久を追い込まなくて良かったし傷付けることも無かったし…
それに……
……出久に言いたくない事言わせなくて済んだんだ。
本当にごめん
謝らなきゃいけないのは俺の方なんだよ…出久は何も謝ることない」
「…いや、違う!違うよ!一心くんは悪くない…元は僕が変な事で怒ったからだよ…君は何も悪くないよ!!」
俺はヴ〜ン…と心の中で唸る
(出久は優しいから出久を悪いって事にしなきゃきっと納得しないんだろなぁ…でも…俺が納得出来ない…モヤモヤする…)
俺は突然ピーン!と閃いた。
「んじゃこうしよう!お互いどっちも悪い!俺も出久も許し合おうぜ!」
俺がニッ!と笑うと出久は何度か瞬きした後体の力が少し抜けながらもへにゃっと笑った。
「ごめんな出久」
「ごめんね一心君」
「「………。プッ!!」」
言葉が見事に被ってしまい思わず吹き出しまた笑い合う。出久の目からはもう涙が止まっていたけれど目尻にはまだ涙が溜まっていたためスッと左手の指で拭う。
…すると出久の顔が突然茹でダコのように真っ赤になった。と思えば突然俺からバッと離れた。
「ってうわぁあああ!!ごごごごごごめん!!!僕ずっと一心君にだ、だだだだ抱き着いてうわぁああああ!!」
俺はそんな出久にまた笑ってしまう。けれどいつも通りのテンションに戻って内心ホッとした
そんな様子をずっとみていた飯田と麗日が安心したような顔をしながら俺達に近付いてきた。
「デク君言葉君仲直り出来てよかったね!私本当に心配したよ〜…食堂でデク君凄いo」
「うわぁあああ!麗日さん恥ずかしいから言わないで?!」
出久がすぐさま言葉を被せその先を阻止する。
「確かに仲直り出来て良かった…が!
緑谷君!廊下をあんな勢い良く走るのは良くないな!誰かにぶつかったらどうする!危ないぞ!気をつけたまえ!」
「ゔ…ごめん飯田君」
「ブフッ!!ブレない飯田君!」
出久は反省し、麗日は吹き出している
(うん、本当にそれは危ないと思う。ぶつかった本人だからわかる事だな、うん…)
俺は心の中でそう呟いた。
「それと言葉君!君は荷物を投げてはダメだ!!」
「あ、ごめんなさい…ありがと…」
(荷物の存在忘れてた…)