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【hrak】Word HERO!!【男主】

第14章 一心の自由気ままな一日


「…まぁ、『今回は』このぐらいの副作用で済んだ。から良かったけど…前に私達が言ったこと覚えてるね?」

「……。うん」

俺は『あの日』の事を思い出しながら静かに頷いた。

「んじゃよろしい。教室に行く前にその血ちゃん落とすんだよ」

リカバリーガールの指さす方向を見ると手の他に袖等に血が飛んでいた。

「うん、ありがとうリカバリーガール。それと今度は気をつける」


俺はそう言いながら服装を整え荷物を右手に持ち、保健室から出ようと扉に手をかけた…

「……。リカバリーガール」

俺は後ろを振り向かずにリカバリーガールに話しかける。


「…いつも心配かけてごめん」


リカバリーガールが何か言う前に俺は言葉を続ける

「んじゃ!イレイザーヘッドにバレないように頑張ってくる!!除籍はぜっっっったい嫌だしさ!!」

後ろを振り向きニヒッと俺は笑い保健室を後にした。









…………………。

血を洗い流した俺は廊下をスタスタと歩く、行きはあんなに長く地獄のように感じたけれど今ではいつもと変わらない何気ない廊下だ。

右腕にキュッキュッと軽く力を入れ体の状態を確かめてみる

(ん〜〜…まだ痛みは残ってるけど全然誤魔化せそうだな。強い衝撃が来なければ…だけど)

タハハ…と笑いながら教室の前に来た俺はドアに手を伸ばそうとしたが、ピタッと動きが止まった。





突然俺は何かを忘れている事に気が付いた。
しかし何を忘れたのかスッと思い出せずヴ〜ンと唸りながら頭の中を整理する。





(…ん?ん〜〜〜…そういえば、俺…



出久に『返信したっけ』?)



そう思い出した瞬間誰かが物凄い勢いで走ってくる足音が聞こえた。

「い”っっっし”ん”ぐ”ぅ”ん”!!!」

なんとも言えない悲惨的な声に俺はバッ!!っとそっちに目線を向けてみると涙でぐっしょりと濡れまくった出久がこちらに猪突猛進してきている。

俺はサッと顔の血の気が引いた。

(おいおいおいおいおい!!出久?!出久君!?ちょっと待って…ちょっと待って!!た、確かに既読無視して返信こなかったら不安だよね?!俺が悪い!本当にごめん!!けど、今その速さで突っ込まれたら俺の腕が大変な事になっちゃうわけでさ…!!出久には悪いけど避けるか…?!いや!!まず落ち着いて一声かけてみよう!うん!)←その間わずか一秒
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