第14章 一心の自由気ままな一日
ウググッと内心俺は唸りながらもリカバリーガールにはいつも逆らえない⋯
リカバリーガールの言う『痛み止め』は俺専用に調合された薬だ。副作用の痛みを無くしてくれるが、1ヶ月に二つ一日に一つまでしか使うことが許されない。乱用すると薬の効果が悪くなってしまうのと、依存症になってしまう危険があるからだ。
ので、俺が使う時は必ず許可を得るわけなのだが⋯
(俺に薬を渡した、飲んだ等の事は速やかに先生達に通達されてしまうわけで⋯つまり何が言いたいかと言うと⋯
⋯⋯⋯この副作用の事がイレイザーヘッドにバレてしまう訳で!!⋯すっげぇええええ怖い訳で!!!除籍はやだぁぁぁぁ!!)
ガタガタガタと体を震わせているとリカバリーガールは
「大丈夫『今回も』黙っとくよ。その痛みは頑張って隠しな」
「⋯!!ありがとうリカバリーガール!」
リカバリーガールは俺がやらかした時大体黙っていてくれる。…まぁ、度し難い怪我は報告されるけれど
「とりあえずボンタン飴でもおたべ」
「わ〜!ありがとう!!」
リカバリーガールに差し出されたボンタン飴を口の中に放り込む。オブラートが溶ければ口には甘さが広がり幸せな気持ちになる。
(リカバリーガールがくれるお菓子は全部大好きだから副作用も悪くないって思っちゃうんだよなぁ…ってそんなこと言ったら怒られるから言わないけどな)
「⋯それで?どうして昼休みにこんなことなってるんだい?」
「ウグッ!!
…⋯えっと、これは⋯デスネ⋯ソノ…」
全身から冷や汗が溢れる…けれど、説明せざるおえない雰囲気な訳で…
「だ、誰かは聞かないで欲しいんだけど…とある生徒と仲良くなりたくてさ…えっと…個性を使われてそれを解除するための副作用がこれというわけで…」
「…なるほど」
リカバリーガールは一呼吸置いてから再び話し出した
けれど、そうまでしてその時間に仲良くならなきゃいけなかったのかい?まだ高校生としての時間はたっぷりあるだろに」
(た…確かに個性にかかったまま心操に逃げられても後から匂いで追えるし、後々仲良くなれたかも…けど、だって…気になっちゃったし…
それに、気になっちゃったんだもん…!!)
俺は意味不明な言い訳を頭の中で並べるも、それはすぐに消えてなくなった。
気になったり、集中すると後先考えられなくなるのは俺の悪い癖だからだ…