第14章 一心の自由気ままな一日
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noside
一心とその生徒はベンチに腰掛け、一息ついていた。
「「…………。」」
((気まずい!!))
二人の間には沈黙が続いていた。
(相手から凄い緊張が伝わってきて…なんでか俺も緊張してきた!何か話した方がいいよな?!)
と一心は考え…
(なんで個性使ったんだ俺!パニックになったとはいえ話しかけてくれたのに…ってか俺の個性を強制的に解除ってあんたどんなチート個性だよ…!…って落ち着け…そうだ、結果的に望み通りにはなったわけで…とりあえず謝らなきゃだろ…)
と生徒は考えた…
「「あの」」
「「………。」」
((カブッタァァァ!!))
一心は思わずフッと吹き出してしまう。生徒は目をパチクリとしながらも少し緊張が解けたのか少しだけ身体の力が抜けた。
「俺ヒーロー科の言葉一心!君とは…んー、俺と会うの初めて…でいいよね?」
「えっと…俺は普通科の心操…人使…です。俺はあんたと会うの…その、初めてってわけじゃない…たまたま見かけた程度…だけど」
「あれ?そうなんだ!どこで?!」
「俺が中学一年の時、ショッピングモールで…
こ、こ、言葉…が…迷子の子供を助けてるのを見て…」
「………。あー!思い出した!!あの時か!!」
………………。
中学一年の頃大型ショッピングモールにて一人の子供が迷子になっていた。ヒーローが迷子センターに連れて行こうとするもその子供は泣きながらも頑なにその場からは動こうとはしなかった。
困ってるヒーローとその子供を見ているのが辛くなった一心は声をかけることにした。
一心は子供の目線に合わすようにしゃがみこみ優しく声をかける
『こんにちは!どうしたの?困ってる?』
『……うぐ、ひっく…』
子供はコクンッと泣きながら頷いた。
『パパと…ママ…い、いなぐ、な、っだ…』
『そっかそっか…怖かったね…よく頑張ったね!
もう大丈夫!お兄さんが見つけて来てあげる!』
『ほ、んと…?』
『うん!それには君の力が少し必要なんだけど…いいかな?』
子供はコクコクと頷いた。
それから一心は子供の名前と両親の特徴を教えて貰い、その場にヒーローと子供を残し広いショッピングモールの中を個性を使いながらも、一分もかからないうちに見つけ出した。
………………。
……ということがあったのだ。