第14章 一心の自由気ままな一日
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「…ハァ、ハァ」
慌てて追いかけたせいで呼吸が乱れる。
俺はゆっくりと呼吸を整えながら高まる心臓を落ち着かせ、隠れながらベンチに座るそいつを見てみた。
(…居た!俺の見間違いじゃなかったんだ!!やっぱり『あの時』のあいつだ!!)
…………。
……少し前の事
授業が終わり昼休みが始まった。
「ん〜!!やっとお昼!早く行こうぜ〜」
「今日何食べよう?どれも美味しいもんね!!迷うな〜…」
「確かに…」
そんな話をしながら普通科のクラスメイトと食堂に向かう途中俺はふと窓の外が気になって視線を向けてみると…一人の白髪の生徒が歩いていた。
「…?……?!…ッ!?!?!」
俺は目を見開きながらこれでもかと窓に寄り食い入るようにその生徒を凝視した。
その様子を見た二人も同じように窓の外を見た。
「…あ!あの子だよあの子!!ほら!噂のヒーロー科1‐Aのイケメン君!!試験の時に出たゼロ点ロボット君倒した二人のうちの一人!」
(その噂は俺も聞いてた。けど、別に見に行こうとは思わなかった…
……あいつと分かっていたら俺はすぐにでも…)
心臓が高鳴る
「ッ!!二人共ごめん!俺今日ちょっと…!」
二人は察した様な顔をしながらニマ〜ッと笑った。
「行ってこい!!ついでにそいつのサインよろしく!」
「あ、私のもお願い!!そういえば食堂でサンドイッチ売ってたはずだからそれ持って行ったら?ご飯はちゃんと食べなきゃダメ!」
「わかった。ありがとう」
俺は食堂へと急いだ。
………………。
食堂に行ったあと俺は急いで校舎を飛び出し、あいつがさっきまで居た場所にやってきたけれど既に姿は無かった。
けれど…
諦めずに探した結果案外すぐに見つかった。
そして現在俺は…
「………。」
(…声、なんてかければいいんだろ…)
自分から追いかけたはずなのに困惑していた。
(勢いで飛び出したけどその後の事全然考えてなかった…
あいつは俺の事知らないだろうし…俺も名前知ってるわけじゃない…あの時本当にたまたま会っただけだ…親しく話すような関係じゃ全く無いし…)
グルグルグルグルと頭の中で考え、答えを必死に見つけ出そうと奮闘する