第14章 一心の自由気ままな一日
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noside
英語の授業終了後…
「OK!!それじゃ今回のライブはここまで!しっかりランチ楽しめよリスナー諸君!!」
プレゼントマイクが教室から立ち去ると出久と勝己がバンッと立ち上がり一心の席に勢い良く振り向く
「一心飯行くぞ!!」
「一心君お昼一緒に行こ!!」
だが、そこに一心の姿は無く…
「って居ねぇじゃねぇか!!」
「って居ない!!」
勝己は怒り爆発といった表情を浮かべ、出久はガーンとショックを隠せない
「言葉君また消えとるやないかい!!」
「忍者かなにかか彼は?!」
麗日はツッコミを入れつつ飯田は凄く驚いている。
(あの野郎…全ッ然寂しいとか思ってねぇじゃねぇかよクソが!!ふざけんなよ!!フラフラフラフラしやがって!!)
「クソがァァァ!!」
(一心君に朝の事謝りたかったのに…かっちゃんが名前呼びされててついカッ!っとなっちゃって…)
「はぁぁ…」
目を吊り上げ怒り狂う勝己とズーンッと落ち込む出久…
……そんな二人の気も知らない一心は
(お昼何処で食べようかなぁ〜?あの場所にしようかなぁ〜♪あそこでもいいなぁ〜♪いやでもあっちにしよ〜♪)
小さなトートバッグを右手に持ちながらルンルンと既に外に出ていた。
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一心side
外にあったベンチに腰掛けながら俺は右手に紙パックの野菜ジュースを持ちストローで飲んでいた。
(うめぇ〜…)
しみじみにそう思いながら、ふぅっと一息つく
この場所は生徒はあまり来ない目立たない場所だ。
俺がまだ中学生の頃にこの高校に来た時根津校長に教えて貰った。
『ここに生徒はあまり来ないから君の心が乱れたり一人になりたい時は遠慮なく使うと良い。』
「………。」
俺は心の中で根津校長に感謝しながら心地良い風を感じつつまた一つ息を吐く。
そして、泊まった時に勝己と話した個性や俺の弱音の事を思い出す。
(……。勝己には黙っていたけど、俺が弱音を言わなくなったあの理由は『二個目』の理由…
『一個目』の理由は…言えなかった
きっと話せばスッキリしたのかもしれない。けど、俺の心が弱くなりそうだった。今まで溜め込んだものが一気に溢れ出しそうな…そんな気がした)
「………。」