第12章 爆豪日和?!
………………。
「それじゃ、改めてまた明日な勝己!」
「……おう」
再び駅の方に歩く一心だったが…
「なぁ、一心」
と再び勝己に呼び止められる
「ん?次はなん…。…………。」
振り返った一心は先程とは違う勝己の雰囲気に言葉を詰まらせた。空気が張り詰めるような勝己からは覚悟を感じた。
「俺はオールマイトを超えるヒーローになる
……そしててめぇもだ……一心……
俺はお前をも超えるヒーローになる!」
その言葉に一心は目を丸くさせドクンッと心臓が高鳴るのを感じた。
「そっか、そうなんだな……なるほど……
じゃあ…俺は勝己に超えられないように頑張らなきゃな!!
だから…
全力で俺を超えて来い爆豪勝己」
一心の満面の笑みとその空気は何処か狂気に感じるものを感じた。
それを感じ取った勝己は思わず唾を飲み込んだ。
(やべぇ…変な汗が出ちまった。自然に口角が上がっちまうちゃねぇか一心……なぁ??
てめぇもだろ?一心!!)
(なんだろこの感情…!昂って仕方ないな…!本当にどうしようもなく……
誰かの壁になれるってこんなに嬉しい事だったのか…!)
((あぁ、楽しい!楽しみだな!))
「……ハッ!」
突然一心は我に返り、ペチペチと両手で頬を叩いた。その瞬間緊迫していた空気が一気にプツンッと音を立てるかのように消失し、勝己もその瞬間我に返ったのかいつもの表情に戻っていた。
「そ、それじゃあな!」
一心は逃げるようにその場を後にした。
そんな一心の後ろ姿を見つめた後、勝己は踵を返し来た道を引き返した。
そしてまだ少しニヤつく顔を必死に隠す。
(クソッ!収まんねぇじゃねぇかよ!あんな顔もあんな雰囲気も初めて見た…あぁ、クソ!戦闘訓練であの顔見せろや!!)
『全力で俺を超えて来い爆豪勝己』
(ん"ん"ん"ん"ん"ん"!"!"今"思"い"出"す"と"…ッ"ッ"ク"ソ"が"!"!")
知らず知らずの家に物凄い早足になりながら勝己は家に帰還したのだった…