第12章 爆豪日和?!
…………………。
「忘れもんねぇな」
「大丈夫!」
靴を履き終えた一心は制服の入った紙袋を持って立ち上がった。
「お邪魔しました〜♪」
「……おぅ」
誰もいない家にそういう事を言う一心に思わず小さく返事をする勝己
家の鍵を閉め、二人はゆっくりと歩き出した。
「いやぁ〜なんか長いようで短く感じたなぁ♪…ところであのお菓子とか本当に持って帰らなくて良かったのか?」
「同じ事言わすな、良いって言ってんだろ。もうあれは俺のもんだろが」
(後で味わって食うんだよクソが…持って帰られてたまるかよ)
バレたくないと言っていたので一心はお菓子類を持って帰ろうとしたが、勝己は全力で阻止した。
念には念をクッキーは既に自分の部屋に隠し済みである。
「しかし楽しかったなぁ〜♪また誘ってくれよな!」
「……気が向いたらな」
「あ、俺からも誘t」
「誘うな!!てめぇからは誘うな!!誘うなら死を覚悟して誘えクソ無自覚野郎!!」
(こっちの心臓と理性が持たねぇだろが!!襲うぞ?!いいんか?!なぁ?!)
そんな事を知る由もない一心はえぇ?!と驚いた顔をしていた。勝己は思わずまたチッと舌打ちが出てしまう
そんなたわいの無い会話をしていると、駅にあっという間に着いてしまった。
「チッ…もう駅かよ」
「そうだな!勝己、駅まで送ってくれてありがとな!後は一人で帰れるから!…それじゃまた明日な!」
淡々と元気に別れの言葉を告げ、駅に行こうとする一心の腕をガシッと掴む。
「……ちったぁ寂しいとか思えやボケ」
勝己のその言葉にポカーンとする一心だったが、満面の笑みを浮かべる
「思わないわけないだろ?本当はすげぇ思ってるよ!」
そう言いながら勝己の頭をよーしよしよしと念入りに撫で繰り回す。
「ッやめろや!!」
勝己はグルルルと威嚇しながら撫で回す一心の腕を捕まえようとしたが、スルッと避けられる。
一心はニヒヒッといたずらっぽい笑みを浮かべてからそっと勝己の後ろに回り込みスマホを取り出しカシャッと一枚写真を撮る
「ダァアア!!クソが!!!」
「まだまだだね勝己君♪後で送るからな!これで君も明日まで我慢したまえ」
「俺は寂しくねぇわクソが!!!」
「はいはい♪」
(分かりやすいんだから本当に♪)
ニヤニヤと笑う一心に勝己は更に目を吊り上げた