第13章 二人のその後
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一心side
丁度よく来た電車に乗り込み、空いている席に座る俺は未だに高鳴る心臓を密かに鎮めようとしていた。
(急に感情が乱れたせいか少し気分が悪いな…)
静かに深呼吸を始める。
(あんな事言われたのは初めてだった…あれが一緒に高め合うってことなんだろな…良いなぁそういうの…良いなぁ…)
『言葉すげぇじゃん!』『まじ適わねぇわ』『チート個性すぎるよ』『恵まれた個性過ぎだろ!』『いいなぁ!その個性ちょうだい!!』『頼りになるなぁ!』
『また言葉君が一位かぁ…』『二位がもう実質一位みたいなもんだろ』『ゲッ!言葉敵かよォ俺ら負け確定じゃん!はぁ…おもんね』『私の個性霞むわ…』
『言葉君って凄いけどノリは悪いよね』
『俺らとは生きてる世界違うわ』
「…………。」
『俺はお前をも超えるヒーローになる』
「………フッ」
思わずどうしても笑みがこぼれる。
そしてまた懲りずに思うんだ…
良いなって…
そんな事を思いながらさっき写真を撮った時スマホに通知が来てたことを思い出し、ゴソゴソとポケットから取り出した。
(……お、オールマイト達から連絡来てた)
消太
⟬おはよう、夕方までには帰れよ。明日に響かないようにな⟭
俊典
⟬おはよう言葉少年!楽しかったかな?ちゃんとご飯は食べたかい?爆豪少年の親御さんに挨拶は出来たかな?手土産喜んでたかい?⟭
オールマイトソワソワスタンプ
ひざし
⟬いや、心配しすぎでしょw
おはようリスナー!今日何時に帰るんだ?!⟭
マイク喜びスタンプ
思わず俺はクスッと笑ってしまう。
三人をなぜ俺は本名登録にしてるかというと、これはイレイザーヘッドの提案で万が一誰かに通知を見られた際の対策というわけでこうなった。確かにパッと見ただけじゃ分からないだろう…
俺は指をササッと動かし送信する。
一心
⟬おはよう!勝己の両親は旅行に行ってたから会えなかったよ!今帰りの電車!昼ぐらいには帰るよ⟭
すると直ぐに既読が三つ付いた。