第12章 爆豪日和?!
………………。
あれから食事を終えた一心は洗い物をしていた
「〜〜♪」
鼻歌を歌っていると勝己がジーッと見てきた
「〜〜♪……〜♪……。……。」
(え、なになになに…鼻歌イライラする?)
「「…………。」」
「「…………………。」」
勝己は何かを言おうとしては口を閉じた
(また言いずらそうにしてるなぁ勝己…俺からなんか言うべきか…)
「なぁ、勝己!俺になんか言いたいことあんのか?なんかソワソワしてるなぁ〜って気がしてさ」
勝己は目を少し丸くさせまた真剣な表情に戻る。
「名前…なんで『マイト』にしたんだ」
その質問に一心は目を丸くさせぱちぱちと瞬きをしクスッと笑った。
「何笑ってんだ!」
「いや、なんでもない!それが気になるんだなぁって思って」
(本当は鼻歌うるさいって怒られるかと思ったけど…黙っとこ…)
密かにそう思いながら一心はうーんっと考える素振りをする。
「そうだな…。理由は単純だよ、オールマイトみたいになりたいなって…俺の歌が平和の象徴のように誰かの心の支えになってくれたらなって思ったんだよ
ま!せっかくやるからにはそういう願いを込めたって良いよな」
「……ほ〜ん」
勝己から帰ってきた返事はそれだけだったが、とても嬉しそうだと一心は感じた。
(それを言ったら怒るかなぁ…このまま放置しとこ♪)
そう思っていると、勝己のスマホに電話がかかってきた。画面を見た勝己は明らかにビタッ!と体が一瞬固まったが、スマホを持って部屋から出ていった。
「……ふぅ」
一心は真剣な表情を浮かべる
(一緒に話してて分かったことが幾つかあるな…勝己はなかなか鋭いところがあるというか…俺が『痛い』って言う言葉を避けてたのも見抜かれたし…思わず動揺しまくっちまった…俺もまだまだだって思い知らされるよ……
……次の戦闘訓練ちょっと怖いなぁ〜なんて思ってきた…
……『マイト』の由来を聞かれた時も正直ドキッとした。嘘は付かずになんとか端折って説明したけど、上手く出来たかな…俺とオールマイトの関係バレなきゃいいけど…
………。出久とオールマイトの関係がバレるのは時間の問題かもな…多分気には止めてるだろし…それがバレると俺との繋がりもバレる気がする…個性把握テストの時思わず出久に叫んじまったけど、明らかに知ってる素振りに見えるしな…)