第12章 爆豪日和?!
爆豪side
(…全然寝れねぇ!!なんならすげぇ目が冴えてる)
スマホを見てみると時刻は二時
(あ〜…クッソ!全部こいつのせいじゃねぇか!!突然名前呼びやがって!)
意識すればするほど脳裏にあいつが俺の名前を呼ぶ声がループする。
自然と口角がピクピクと上がる
(だぁああああ!!クッソ!!反射的に名前を呼ぶなって言っちまったせいで俺から頼む事になっちまったじゃねぇかよ!この無自覚タラシ野郎!!)
ガバッと起き上がり一心の方を見てみるとスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
「…………。」
(なんでてめぇはスヤスヤ寝れんだよ!!逆に怖いわ!!ってか俺だけかよまた意識してんのはよ!!ふざけんなよぉおおお!!)
フツフツと怒りは湧くものの、こんなに気持ち良さそうに寝ているコイツを起こそうとも思えず
「〜〜〜〜!!」
自分の枕に思いっきり叫んだ。
「…………。」
少し気持ちが落ち着いた俺はスマホを持ちながら一心の寝顔を覗き込み、しばらく見てからスマホでその寝顔をカメラに収めた。
(散々俺を振り回したんだ…これぐらい罰当たんねぇだろ)
そう思いながらスマホをポイッと布団に投げる。
「……なぁ一心、何俺の事忘れとんだてめぇはよ…さっさと思い出せやボケが」
(俺との勝負も忘れやがって…どっちが勝ったか分かんねぇだろ…『約束』しただろが…次にあった時に話すってよ。お前からふっかけた最初で最後の勝負だったのによ……
お前は本当に昔からずるい奴だな。てめぇの事は全然教えもしねぇくせに俺達の事だけどんどん知っていきやがって…
また来るって言ったくせに一切あれから会いに来ねぇし!今頃になって目の前に現れやがって…俺がどんだけ待ったと思ってんだよ…!
待たせた挙句記憶がぶっ飛んでるって…本当にお前は俺の神経を逆撫でるな…昔も今も)
俺の身体が自然と動いた
一心の頬に自分の顔を近付ける
俺からこんな事をするなんざ不本意で仕方なかった。けど、止められない
(クソデクよりも俺を先に思い出せよクソ無自覚野郎)
そう願いを込めて俺はキスをしようとした