第12章 爆豪日和?!
「ハァ…ハァ…」
(熱い…変な汗かいちまっただろがボケ!!)
少し荒くなった呼吸を整える。
「爆豪の匂いのおかげで…個性の切り替えが出来るようになったよ!ありがとう!
……ところでさっきの話だけど」
「いやてめぇよく話の切り替えも出来るなおい!!どういう神経してんだ!!心臓に毛でも生えてんのか!!」
「……?」
「やめろやその顔!何言ってんだみてぇな顔してんじゃねぇ!!
……あぁ、もういい…続けろ」
俺は怒るのもこいつに対して諦めた…
「爆豪と一緒にいた頃の俺は個性をちゃんと上手く使えてたんだよな?
うーん…やっぱり記憶が無くなるのと一緒に個性も上手く扱えなくなったみたいだな…
でも!練習してたらまた上手く使えるようになるかもしれないよな!そう思ったらかなりやる気出てきた!普段の生活もしやすくなるし!
……その人達にも『心から』弱音を吐けるようになるしな…」
一心から安心したような優しいいつもの笑顔が見れた。
「……お前俺に時々寂しいだとか言ってたけどその時は平気だったのかよ」
「まぁ、色々と工夫してるからな!オフに出来なくて個性が発動しても上手くバランスを取ってるから大丈夫!……って言ってもダメな時はダメだし…やっぱり感情とかが乗ると…切り替えないとしんどいな…」
タハハ…と笑う一心にそれは大丈夫とは言えねぇんじゃねぇかと思わずため息が出る。
(今の話で大体分かった…中二で別のやつと暮らしたのもその厄介な個性を少しでも抑えるためか…
……今日でこいつの色んな事を知れたな。予想以上の収穫じゃねぇか
………。けど、気になる事があるとするなら……なんで『マイト』にしたんだ?オールマイトから取ったんだろ…?昔こいつはオールマイトやヒーローすらも興味が無かった…
今になってオールマイトに興味が出たのか…)
そんな事を考えていると、一心も何やら考え事を始める。
「しかし…匂いか……爆豪の匂いで個性が上手く安定出来たなら……『出久』の匂いはどうなんだろな…」
それを聞いた瞬間俺の中の怒りが噴火した。
(コイツの話に夢中で肝心な事忘れてたじゃねぇかよおい一心…感謝するぜ思い出させてくれてよぉ…)
俺の目が吊り上がる。