第12章 爆豪日和?!
noside
数分後……
一心は地獄のマッサージを終えくたばっていた。
「爆豪の鬼…でも凄い手の調子良い…」
「当たりめぇだろが!」
「「………………。」」
二人でベッドの縁に座りながら少しの無言のあと爆豪は口を開いた。
「……。寂しいんか…一人でいるの」
その言葉に一心は爆豪の顔を見てみるも目は合わずただただ前を向いていた。
「……。そうだな…朝起きて誰かにおはようって毎日言えて帰ってきたらただいまって言えるのいいなって思うよ」
「……。俺はてめぇの家の都合とかわかんねぇ、そいつらと一緒に暮らさなくなった理由もわかんねぇ
けどな…辛いなら言えば良いだろ『寂しい』って『一緒に居たい』って」
一心は口を開きかけ何かを言おうとしたが口を閉じた。
「……昔のお前は、そういう弱音も『心から』ちゃんと吐けてた。今のお前はなんで『痛い』も言えなくなってんだ……なぁ、一心」
爆豪はそう言って一心の顔を見てみると、ただ前を向いていたそして困ったような笑顔を爆豪に向けた。
一心は両手の指同士を付けては離しを繰り返し、一つため息を吐いた。
「……。今は『心から』は言え無いなそういう言葉……個性が発動しちゃうから……
今上手く……切り替えようとしてるんだけど…ッ!
……はぁ、やっぱダメだ…結構これでも練習したんだけどなぁ…変に力が入ってるのかも…ッ!」
「……は?」
何言ってんだという顔をする爆豪
「昔の俺はきっと個性を上手くオンオフ切り替えれたんだろな…
でも今の俺は【常に個性が発動している状態】が続いてる。
そういったネガティブな言葉を心から発言すると…なかなか厄介な事になるんだよね〜…プラスよりもマイナスの方が個性の効果が強くてさ…いやぁ本当に大変で」
そう一心がニコニコと話している時爆豪に身体を引っ張られた。
「……!!!」
ガッシリと背中と頭に腕を回され、一心の鼻に爆豪の匂いがスッと入ってきた。
一心が爆豪の名前を呼ぼうとした時、爆豪は
「うるせぇ、何も言うな」
と言った。
一心は爆豪の言うことを素直に聞き入れた。息を吸う事に爆豪の匂いが鼻を刺激する
(なんだろ…この気持ち…なんだろ…この感覚…
個性が徐々に安定していく……)