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【hrak】Word HERO!!【男主】

第12章 爆豪日和?!


一心side

『…自分の今の立場理解したかよ、このクソ無防備が』

俺はふとその言葉を思い出した。

(あ〜〜!!そ〜〜言うことか〜〜〜!!!話せってことねぇ?!
あ〜…逃がしませんぜって顔だぁ…すっごい怖い顔してる…しかも手握ったままだし…話さなかったらまた痛い事されそう……。

まだ始めるきっかけになった本人には言ってないんだよなぁ…でも、今逃したら学校で話す事になりそうだし…それはやだな…)

俺は一つため息を吐く。

「この活動を始めたのは一言で言えば『恩返し』だ。俺を育ててくれたオジサンやお世話になった人達への…少しの恩返し…」

(そう…『恩返し』。本当の血の繋がりがないのに家族のように接してくれているオールマイト達に…)

爆豪は何も言わずに黙って聞いてくれている。

「そのオジサンは記憶も無ければ身寄りも無い俺を嫌な顔せず引き取って育ててくれたんだ。そして色んな人と触れて、俺は幸せな毎日を送ってた。

……それと反面俺の心の中にはグルグルと渦巻くものが生まれてた。
俺は貰ってばかりでこの人達には何も返せてない…そんな焦りが一緒に過ごせば過ごすほど溢れてくる毎日…

中学三年になった頃、俺の心の中で限界を迎えた。少しでもなにか恩返しをしたくて俺は雄英高校に通いながらバイトが出来る所は無いかと探したんだ。

……けれど、その時一緒に暮らしてた人に求人広告が見つかって酷く怒られたよ…
ヒーロー科舐めてんのか!って……」

爆豪は「そりゃそうだろ」と言葉を漏らした。

「確かに…今思えば無謀な事をしてたと思うよ。
俺は完全に周りが見えなくなってた…
その人に立派なヒーローになって恩返しすればいいって言われたんだけどね…

こう言ったとしてもその人は俺がなにかしでかすと勘づいたんだろね。
ある日音楽活動を勧めてきた。少しでも気休めになればって感じだったんだろうけど俺は直ぐにそれにのめり込んだ。

これで少しは恩返しになるって思いながらひたすらに曲を作って歌ってこうして『マイト』が生まれた。

……ざっくりした説明だけどそんな感じ」

(結構端折ったりしたけど…嘘はついてないからセーフだよね?)

爆豪の方をチラッと見てみると何かを考えている顔をしていた。

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