第12章 爆豪日和?!
爆豪side
(あ〜クソが!俺だけ意識しまくってんじゃねぇかよ!!クッソ!ふざけんなよ!!なんなんだよてめぇはよ!
しかも気になる事をボロボロとまた言いやがって…)
怒りがフツフツと湧いてくる。
(……。とりあえず一つ一つ処理するか…)
俺は勢い良く一心に向き直る。
「おいコラてめぇ…手ぇ出せや」
「な、なんで?」
「いいからはよしろ…俺がてめぇの手をもみ殺したらァ!」
それを聞いた瞬間一心はサッと両手を後ろに隠した。
「あ”あ”?!てめぇ何隠してんだ!!」
「いやだって!!もみ殺すって絶対痛いじゃん!!」
「痛くねぇわボケ!!マッサージぐらい余裕だわ!!いいからテメェは黙って手を差し出しゃ良いんだよ!!」
それを聞いた一心は悩んだ末渋々恐る恐る嫌々手を出てきた。
(んな嫌がるこたねぇだろ!!てめぇの好きな手で揉んでもらえんだからむしろご褒美だろが!!)
心の中でブチ切れながら伸びてきた手を引っ張りオイルを垂らした。
……………………。
初めは怖がってか一心の手には力が入っていたが、徐々に力が抜けていき、今はキラキラと目を輝かせ俺の手つきを見ていた。
「爆豪凄い上手い……!!」
「当たり前だわ!!んなもん余裕じゃボケ!!
…ったく手間取らせやがって」
舌打ちをすると、一心は申し訳ないといった表情をする。
一心のそんな顔を見てから俺はそろそろ本題に入るかと話を切り出す。
「そろそろ、話せや『マイト』の事」
そう話すと一心の体がビクッと震えるのを感じる。俺は自分の手にギュッと力を入れ一心の手をキツく握った。
「ちゃんとこの俺が今日場所も用意したんだ…話さねぇなんてことねぇよな…?なぁ、一心くんよぉ…」
俺はキツく一心を睨みつけた。
(この機会を逃したらてめぇから聞き出すのはまた随分と先になんだろ?俺は許さねぇぞそんな事…今ここでお前がなんで音楽活動なんざしてんのか聞き出す……
お前の返答によっちゃ俺は…俺は…)
俺はさらに手に力を込める一心は痛そうに顔を歪めた。
「…ッ!!分かった!分かったから一旦緩めろって!」
俺は言われた通りに少し力を緩める。けれど手は握ったままにしておいた。変に話を逸らせばまたキツく握りしめる為に…