第12章 爆豪日和?!
「「…………。」」
しばらく無言が続いた……
爆豪は横目でジーッと一生懸命マッサージをする一心を見る。
(なかなか手際いいな…それに悪くねぇ…)
「…てめぇ、誰に教えてもらったんだこれ」
「ん!オー…ジサン!」
(危ない!オールマイトって言いかけた!!)
「あ”?どこのジジイだ!?怪しい奴じゃねぇだろな?!」
「いや、全然怪しくないよ?!」
(怪しいというより平和の象徴だよ…)
爆豪は疑いの眼差しを向けてくる。
「んっと…その人は小さい頃から俺の面倒を見てくれてる人でさ、とっても優しい人なんだ!中学二年からは今の家に引っ越してきて別々に暮らすようになっちゃったけど、時間があればいつも会いに来てくれたり…俺からも会いに行ったりしてたんだ。
今は会いに来てくれてばっかりだけど…」
「ほ〜ん…お前、中二から一人暮らしなのかよ」
「いや、別の人と暮らしてた」
「別の……人……」
また疑いの目で見てくる爆豪
「その人も怪しい人じゃないよ!?むしろ俺の個性の手助けをしてくれた人だし!」
(俺らの今の担任の人なんだけどね……)
「まぁ、その人と一緒に暮らしてたのも高校入る前まで…今は一人暮らしだよ」
「………。」
真剣な顔で黙り込む爆豪に一心は
「はい!反対の手!」
と、言うと爆豪は一心と向き合うように座り直し素直に反対の手を差し出した。また手にオイルを垂らしながら同じようにマッサージをする一心
その様子をジーッと見つめる爆豪
「なかなか悪くないだろ?」
「…まぁまぁだな」
そう言いながら先程マッサージした手を力を入れては緩めを繰り返し感触を確かめている。顔は満更でもなさそうといった様子だ。
「……。こうして触って思ったんだけど、爆豪の手って男らしくてカッコイイな!」
「な?!は?!」
「俺結構この手好k」
「一回黙れ!!クソ無自覚!!」
爆豪は自分の手を取り上げ、背中を一心に向けた。
「あの〜…まだ途中なn」
「一回黙れっつったろ!!」
(あ……はい)
謎の怒りを買ってしまった一心は口をモゴモゴと動かし黙り込む。
爆豪は俯きながら片手で自分の顔を覆っている。