第12章 爆豪日和?!
イライラしながら頭の泡を洗い流し次は体を全力で洗う。
(今日中に俺の名前で呼ばすようにさせてやらぁ!!呼べって言ったら簡単に呼ぶだろアイツ!!んでもって適当に言いくるめて俺のデコにキスさせる!!
……これでクソデクより上だ!!)
「……いや、待てよ」
(俺が自分からアイツに頼むのか…?俺の名前で呼べって…)
「……言いたくねぇ!!なんで俺から頼まなきゃいけねぇんだよ!!クッッソ!!」
(これも上手いこと誘導するか…
…そもそもなんで俺がこんなに苦労しなきゃなんねぇんだ!!無自覚にも程があんだろ!!家に二人で親は帰ってこねぇって言ってんだろが!!腕に腰まで回して密着してただろ!!分かれや!!なんとなく察しろや!!なんで寂しいって事になんだよ!!恋だとかした事ねぇんか!!)
「……………。」
『ただの妄想であんな歌詞書いてんのかよ』
『あぅ…』
(あの顔………。
恋とかマジで…した事…ねぇ…な…あの感じ…
いや、年頃の奴なんだからああいう系見るだろ…
………。
見ねぇ……な……あいつなら……見てなくても不思議じゃねぇ……
あいつは昔から…そういうやつだ…)
体の泡を洗い流し、洗顔を顔に塗り洗い流す
「……はぁ」
(お前はまずどっちが好きなんだ……
女にしか恋愛感情が向かなかったら……
…………。
だからって俺は諦めねぇ…てめぇが無自覚だろうが女が好きだろうが上等…
ねじ伏せて俺の物にする…!)
「俺をぜってぇ意識させてやる……
覚悟しとけよ、クソ無自覚野郎!」
……………………。
洗濯を終え乾燥機で乾いた服を畳み、髪を乾かし歯を磨き終えた俺は時計を確認する
(……あいつ寝てたら殺す)
そう思いながら、一心が何を冷蔵庫から持っていったのか気になり確認してみると、水が一本だけ無くなっているだけだった。
(…遠慮してんのか?歯を磨いた後だからか…にしてももっと持ってけや脱水起こしたらどうすんだ)
冷蔵庫から何本か取り出しスマホをポケットに入れながらリビングの明かりを消し自室に向かう。
「…………。」
ドアの向こうからは物音一つ聞こえない。
(寝てたら叩き起したらぁ…)
そう思いながら俺はドアを開けた。