第12章 爆豪日和?!
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爆豪side
ぬるくなった湯船を温めながら浸かっていると洗面所から一心が歯を磨く音が聞こえてくる。
「「……………。」」
磨き終わった頃に声をかけた。
「…おい」
「んー?」
「……新曲…良かったぞ」
「ンブッッッ!?!」
(散々無自覚なことしまくった仕返しだバァカ)
口をゆすいでる音が聞こえる。
「ゲホゲホッ!…はぁ〜…もしかしてさっき聞いてたのって…」
「てめぇの曲だ!なんならここで歌ってみろや!」
「う、歌わねぇ!!先に部屋行ってるからな!」
ガサゴソと音を立てながら洗面所から撤退する一心にざまぁ!と思いながら勝ち誇った気分でいると一心が戻ってきた。
「……んだよ」
「…………。」
「……どうした?歌う気になったか?」
「……あ、ありがとう。良い曲って言ってくれて…
………。これからも聞いてくれよな!それじゃ、ごゆっくり〜♪」
タッタッタッとリズム良く歩きながら一心の足音が小さくなって行った。
「………。はぁああああああぁぁぁ〜…」
目元を手で押えながらクソデカため息を吐き爆豪はガバッと湯船から出る。
(ごゆっくり出来るわけねぇだろあのバカ!!)
「クッソがァァァァ!!」
全力で髪を洗っているとふと思い出す一心のフワフワと撫で心地のいい病みつきになる髪
「…………。」
(髪の色は変わったけどアイツの髪の質感はガキの頃から変わってねぇな…
アイツらが触りまくるのも無理ねぇけど…少しぐらい嫌がる素振りしろや!!どんだけ人懐っこいんだよ!!俺だけでいいんだよ撫で繰り回すのはよ!!
しかも、無防備にホイホイクソデクの所について行くわ!!『さっきは放って行ってごめんな』って謝んだったら行くんじゃねぇよ!!俺がどれだけ必死こいて誘ったと思っとんだアイツ!!!一分一秒無駄にしたくねぇのに!!あ”あ”腹立t)
「…………。」
突然として思い出す一心に髪を撫でられるあの感触…怒りが消失する
(まぁ、でも俺は…クソデクよりも上だ!!アイツの手作りクッキーを食った!俺の手料理も食わせた!!なんならあいつの個性も弱点も知ってる!!)
「…………。…いや、ちげぇ…まだだ…」
(あいつは…クソデクのデコにキスしやがった!!なんならあいつは名前呼びだろが…!!なんで俺は未だに苗字なんだよ!!クッッソ!!)