第12章 爆豪日和?!
一心はポカーンとした顔をしながらも嫌われていないことに安心してかとてもニコニコと笑っていた。俺はその顔を真顔でガン見する。
(あ〜…クソがクソがクソがクソがクソがクソがクソが…)
そう心の中で叫びながら平常心を保ち一心と目が合いそうになった所で目をそらす。
これが俺のルーティンだ
「まぁ、てめぇに嫌悪感を抱いてたのも暫くの事でその後は普通に遊んでやってた…
一ヶ月たったそんな日お前は俺達に突然別れを告げた。
…その後の事は俺は知らねぇ、連絡先も知らなかったし何処に行くのかもお前は言わなかった。」
そう言い終えると俺は椅子から立ち上がり晩飯を作るために腕捲りをする。
と
一心はその腕をガシッと掴んできた
(………?!?!
お、ま、え、は〜…!!心臓に悪いことばっかしやがってクソがなんなんだよ!!)
目を吊り上げ一心を見てみると、バッチリと目が合った。そして無自覚なお前はまた無自覚な事を俺に言った。
「爆豪は昔の俺と今の俺どっちが好き?!」
「……は?」
頭に宇宙が広がり暫く何も考えられない状態になった。が、クイックイッと腕を引っ張り俺の名前を呼ぶ一心に意識を戻される。
(あぁ〜〜…コイツは命知らずなんか?本当は俺の気持ち分かって…るわけねぇよなぁ…
あ〜〜クソがァ…我慢しろ俺…クソがァ…
まずこいつの質問に応えろ…クッソ!なんの拷問だよ!!)
片手で自分の目元をガッと掴んで落ち着いてからスッと手を退けた。
「今も昔も何も変わってねぇしどっちもてめぇだろが!!俺は嫌いな奴を家に誘わねぇ!!二度も言わすな!!俺は飯の支度すんだよさっさと手離せや!!」
「あ、じゃあ俺も手伝u」
「座っとけや!!何もすんじゃねぇ!!!」
(むしろ今はマジで俺の傍に来んな!!!この無自覚が!!俺がどれだけ必死こいて耐えてると思っとんだ!!)
一心はシュンッとしょげながら俺の腕を離し椅子に座り直した。その様子を見届けてから俺はキッチンに向かいテキパキと支度を始めた。
俺は今更になって一心を家に泊めた事を後悔した。
(何となく応募したペア旅行券が当たったから親にそれで旅行に行かせ、暇だったし聞きてぇ事も山ほどあったから誘った…けど、こんなに拷問続きになるとは思ってもみなかった!!少しは意識すると思ったら全然だし!…なんなんだコイツクッソがァ!!)