第12章 爆豪日和?!
「手短に話すぞ…晩飯遅くなるからな
…まず俺とお前は幼馴染ってわけじゃねぇ。五歳の夏…公園でクソデクを殴ろうとした時に…
…………。
そんな顔すんなら話さねぇぞ」
横で一心はクソデクを殴ろうとした事に少し引いてる顔をした。怒りをグッと抑え話を続ける
「クソデクを殴ろうとした時てめぇはどっからともなく現れて、俺の拳を止めたんだ。
……腹立ったからてめぇをボコボコにしたけどな」
「…?!」
(そう、ボコボコにした。
…だのに、次の日会った時傷一つなくピンピンとしていた。寧ろ殴ったこっち側は石をずっと殴り続けたように手がヒリヒリ傷んで擦り傷もあったっていうのに。こいつの個性は硬化の様なものかと思ったが…違った。
……腹立つからコイツには言わねぇけど)
「……ばく、ごう…」
俺の事殴ったのか?と一心は悲しげな顔をした…
……。俺の心に罪悪感がズシッとのしかかる
(その顔はずりぃだろ!!)
グルルル!と唸りながら必死に怒りを堪え言いたくない言葉を口にした。
「…クソ生意気な事に傷一つつかなかった。てめぇは避ける素振りもしなかったしな!!テメェは舐めプしてたんだよクソが…!!」
思い出しただけで腸が煮えくりそうになる。
「俺はお前の事がすげぇ嫌いだった。勝負をしてもてめぇは何処か手を抜いて…いつもいつも…!!
真剣に勝負しろって言ってもお前は逃げるわクソデクの後ろに隠れるわ…個性についても詳しく教えねぇわ…お前の事はなんでも秘密だったし、家に遊びに来いって言ってもお前は絶対断って
本当にお前はどうしようもなく俺の神経を逆撫でるやつだった!!」
「…そう、だったんだ…ごめん…」
申し訳ないと謝る一心にまた舌打ちが出る。
(大体の理由に『親が』っていう理由が使われてた…多分親にダメだって言われてたんだろ…
けれど…それを言っていいのかわかんねぇ
合格発表の日、親にぶつけてこいと言った時明らかに様子が違った。
……今は出来るだけ触れねぇようにするか)
「な、なぁ…爆豪俺の事まだ嫌い」
「…は?てめぇはアホか?嫌いな奴一々家に誘うかよ」
(ほかの事は察しが良かったりするのになんでこういうのは鈍感なんだこいつ…
俺は…寧ろ……むし、ろ……)
顔に熱を帯びるのを感じた俺はクソが!!と言いながら麦茶をゴクゴクと飲み干した。