第12章 爆豪日和?!
透明の袋に入れられたそれが何かなど、見ただけでわかった。爆豪はこれでもかとジーッと見つめた後自身のスマホを素早く取り出し、一枚二枚と写真を取り何事も無かったかのように素早くスマホをしまった。
その爆豪の異様な光景に一心はポカーンッとした表情を浮かべる。
「…見てんじゃねぇぞ、殺すぞ」
そう言いながらも爆豪の目はクッキーに釘付けというようにジーッと見つめている。そのせいか全然言葉に強みを感じない。
(そんなに爆豪クッキー好きなんだ…)
と一心はそう思いながら土産物を簡単に整頓させ、椅子に座り、その異様な光景を眺めた…
のだが…爆豪はジーッと見つめたまま食べようとしない。
「…爆豪、無理しなくていいよ??」
その言葉にブチッと来たのか今日何度目かわからない爆豪の怒りに触れてしまい。ガルルル!と唸られたが、怒鳴り声は無く寧ろ怒りがプスンッと切れたような音がした。
そして遂にやっと爆豪はラッピングした赤いリボンを解き中のクッキーを掴むとポイッと口の中に放り込んだ。
「……ッ!!!」
爆豪は目を丸くさせ、再びクッキーの袋に目を向けもう一口とクッキーを口の中に放り込んだ。
「どう?甘さ控えめのジンジャークッキーにしたんだけど」
一心がそう言うと爆豪はチラッと目線を向けては逸らし
「……美味い」
と小さくそう言った。
「本当か?!嘘じゃないな?!」
「んで、この状況で嘘つくんだボケ!」
「いやだって!爆豪中々食べてくれないしなんか様子も変だったから嫌いなのかなぁ〜とか色々考えてたんだよ〜…」
緊張の糸が切れたかのように深い息を吐き出す一心を他所に爆豪はまたポリポリとクッキーを食べている。
「っていうかてめぇ土産買いすぎだろ…」
ドサッと置かれた土産の束に少し引きながらそう言うと
「いやぁ〜爆豪これもこれも好きかなぁ〜って悩んでたらまぁ…こんな事に…」
タハハ…と笑いながら少しやり過ぎたという表情を浮かべる一心にフンッと鼻で笑う爆豪
「………。……ありがとよ」
「………。あ、はい…ドウイタシマシテ…」
爆豪がお礼を言ったことに心底驚きながらもクッキーをポリポリと食べ続ける様子に一心は頬を緩くさせた。
「爆豪が良ければだけどレシピ教えようか?」
「要らねぇ」
(あ、そうですか…)
間髪入れずに答えられ少しシュンッとしていると