• テキストサイズ

【短編集】切ない恋もそこまでに

第8章 #08 弱き者


この世界は力こそすべて

弱いものは強いものに支配される

ただそれだけだ

簡単で残酷な世界



弱いものは知恵をはたらかせて、時に仲間を集め強きを砕こうとする

強いものは弱いものを下に置き、信頼するものをそばに置き地を支配する



下克上なんてものは日常茶飯事におこり、戦争の火種はそこらに撒かれている



私はただ、そうして世界が動くのを見守ることしか出来ない弱き者

たとえこの地で戦争が起ころうとも、足を震わせて命乞いをするしかできない

だからこうして、強き者の下にあるのだ



弱き者は強き者に守られ、背中を見つめる



強き者は背中を弱き者に託し、前を行く



争いに私情など持ち込んでは隙を見せるだけ

あなたは強いから、一切の隙も見せない

たとえ、仲間であろうとも。

どんな時でも肌身離さないその刀がそれを語っている



私がその懐に入れたことは無い

部屋に入れても、2人夜を過ごそうとも

1度も、1度もそんなことは無かった



悔しい?違う

悲しい?違う



涙が止まらないだけ



だって、この気持ちを一言で表すにはあまりに複雑過ぎるの



空いた穴は二度と塞げない
/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp