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【短編集】切ない恋もそこまでに

第7章 #07 あなたの温もり


ピピピピッ
カーテン越しの朝日に照らされた部屋に響くアラーム音

鬱陶しそうに顔を顰めてそれを止める彼

半裸の彼には秋風は寒いようでアラームを止めてすぐ毛布の中で縮こまった

バサッとズレた毛布に私まで寒くなり、彼のお腹に腕を回した

少し冷たい彼のお腹

ひんやりした感触に熱を送り込むようぎゅっと抱いた
………………
…………
……
ふと目が覚めた今、回した腕はいつの間にか外れて、温もりも無くなっていた

いつもの事とは知っていても少しの喪失感に寂しさを感じる

彼が頭を置いていた枕には律儀に私の服が畳まれている

ぼーっとしている頭でそれを掴む

少し彼の匂いがする

ただそれだけで悲しくなるのはわたしのいけないとこ

けど、あなたが出る時そっと頭を撫でていくのを知ってる
 
慈しむような目線を送っているのも

感情を表さないあなたが優しい顔になる瞬間も

それは私のものでは無い

それでも、それだから。

今の一瞬を大切にできるの

 
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