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【短編集】切ない恋もそこまでに

第6章 #06 願うもの


動かないのよ、まるで石にされたように

心では



「動け」





そう叫ぶのに

思い通りにならないのよ



しようとしてることは分かってる

整理出来てる

なのに動かない。

私は元々動けなかったのかと勘違いするほどに

動かない



今やらなきゃ。後に引けない。

分かってる、分かってるの。



ほら遠のいてく

また選択が縮まってく



あの人の背中が小さくなる



また私は夢見る少女に戻ってしまう

現実に打ちのめされて、夢に浸って、

またここに来る



何度繰り返しても私は動こうとしない

あの人の隣で笑う自分を眺める自分がいる

夢を夢で見ているの



あの人の温もりを、声を、仕草を作り出してる

戻れなくて、戻りたくなくて



でもどこかで思ってる





「私は二度と動けない」
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