• テキストサイズ

【短編集】切ない恋もそこまでに

第13章 #13 ふたつの愛してる


愛してると言っていいと許可を頂戴よ

そうしないと無意識に言ってしまいそうだから。

もっと乱暴に扱ってよ

そうしないと口走ってしまいそうだから。



その目は私と交わっても、私は見ない

透かして誰を見てる

だからこんなに優しく扱うんでしょ?

ガラス細工になった気分ね

そっと撫でられる頭も、暖かい声色も、冷たいその心も



交わらない、愛してる。



うっとりとしたその顔に時が止まった気がした

世界に私たち2人しか居ないような錯覚に陥った

今だけは甘えさせて欲しい

今だけは愛しさせて

今だけ、自分を許したいの



せめて朝日が登るまでは。

/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp