第1章 出会い
視界が歪んでバランスを崩した私は、例の赤髪に腕をつかまれて間一髪転倒を免れた。
『おいおい、大丈夫かよ』
「…っすみません!」
『別に俺っちはいいんだけどよォ、かわい〜お嬢さんがそんな顔色してたらさすがに心配になるぜェ?』
「…!?ち、ちょっと立ちくらみしただけです、もう大丈夫なので仕事に戻ります…」
な、何なんだこの人!初対面でかわいいとか言うか普通!?ホストか何かか?絶対そうだ。絶対ホストだ…!
不覚にも喜んでいる自分に喝を入れ、店内に戻ろうと歩きだした。
…が、グイッと後ろに引き戻される。
『なァお嬢さん♪ちょっと俺っちに付き合ってくんねェ?』
「え?」
『おーい店の人〜!お嬢さん借りていきますよ〜っと♪』
「ちょっと!何するんですか!離してください!」