第1章 出会い
抵抗もままならないまま、あっという間に店の外へと連れ出されてしまった。
「何ですか急に!?」
『…お嬢さんさァ、あのバイトしんどいっしょ』
「なっ…」
急に真剣な目で見られて、心臓が跳ねる。
『すげぇ顔色悪ぃし、なーんかつまんなさそ〜にしてたからよ』
…もしかして私、顔に出やすい?
『ま、さすがにその格好のままじゃヤバいか。これでも羽織れよ』
そう言って赤髪はよく分からない派手なデザインのパーカーを渡してくれた。
『さーて、どこ行くかなァ』
「ノープランで連れ出したんですか!?」
『こういうのは無計画がイチバンっしょ。運に任せてりゃ何とかなるンだよ』
「運って………………。」
『いいからいいから♪俺っちに着いてこいよ』