Golden Treasure[ジョジョーGWー]
第5章 第一指令
ナ「なるほどねぇ…もそうなのか?」
「え?ま、まぁそりゃ一応…ね」
ナ「あ、俺これは知ってるぜ?唇に色つけるやつだろ?」
ナランチャは口紅を手に取った。
「無視しないでよ、ナランチャから聞いたのに…」
ナ「無視してないぜ、ちゃんと聞いてた。すみません」
ナランチャは先ほどの店員に声をかけた。
「?」
店員「はい」
ナ「これも一緒に頼む」
店員「かしこまりました、ありがとうございます」
「ナランチャ、あれはリストに載ってなかったよ」
ナ「おう、知ってるぜ?」
「ならなんで…」
ナ「へのプレゼントだ」
ナランチャはニカッと笑った。
「え!ほんと!?いやでも余計なもの経費で買ったらまたフーゴに怒られちゃうよ?」
ナ「が喜ぶ顔見れるなら余計なものじゃねぇし、経費でなんて買わない。俺からのプレゼントだから」
「ナランチャ…」
ナ「それとそれ、会計別でお願い」
店員「かしこまりました。いい彼氏さんですね」
ナ「おう!」
"彼氏"という言葉を聞いた瞬間ナランチャの顔が輝き、元気よく返事した。
「そこで返事するのはナランチャじゃないよ…でも、ありがとう」
は笑いながら言った。
全ての買い物を終え、2人は車に戻った。
ナ「はい」
ナランチャはさっきの包みをに渡した。
「ありがとうナランチャ、私こんなブランドの化粧品使うの初めて…嬉しい」
ナ「っ…そ、それやばい…」
ナランチャは顔を赤くして手で覆った。
「ありがとう」
ナ「うん…なぁ、男が女に口紅をプレゼントするときの意味、知ってるか?」
「??分からないな」
ナ「"キスして半分返して"」
「え?」
ナ「そういう意味があるんだ。だからもいつか、俺に半分返してくれよな」
ナランチャはそう言うとにチュッと軽くキスをして車を発進させた。
「全くそういうことは覚えてるんだから…でも、答え出すから待っててね」
の呟きは車のエンジン音によってかき消された。