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オニオンスープ
第10章 9杯目
ベタついた親指も、魔法のおかげで綺麗になった。
現実はそう上手くはいかねぇもんだ。
なんて、
悟ったように想いながら、寝返りを打つ。
夢の中だけでも、
俺のモンになればいいのになんて、
覚えてしまった彼女の形も、
親指に残る彼女の唇の感触も、
たった一瞬重なっただけで、
それを、何一つ忘れたくないなんて、
それこそ
…らしくないだろう。
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