第9章 8杯目
先輩達を見送った後、後ろ手にエースの服を掴んだ手を取られる。
「何ビビってんだよ」
「ビビってねぇし」
「じゃあ、この手は何?」
「エースがこうして欲しいかなって思って」
そっと顔を晒す。
「顔、赤すぎ。なんなのお前」
「エースありがと、助かった。ケイト先輩、刺激が強すぎて」
「気をつけろよ」
「ん、」
「グリムとお前の分買ってきてやるから、デュース達のとこ先戻ってろ」
「ありがとう、エース」
「マブだからな」
ポンポンと頭に乗った手。
私のマブ、いい人すぎでは?
「何その顔」
「神様、仏様、エース様って思ってたとこ」
「ならもっと敬え」
わしゃわしゃとその手に力が加わる。
「ふ、痛いよエース」
「コレくらいじゃないとお前わかんねぇもん」