第8章 7杯目
「オレは、やっぱりお前に傷ついてほしくない」
「どういうこと?どうしたの、急に」
不思議そうにオレを見るコイツがくやしい。
「………だから、捨てんなよって話」
「なにを?」
「その胸のやつ。わかったな?わかったら返事」
「はいはい。すてないよ、こんなに綺麗なんだから。ありがとう、エース」
たとえ先輩にコイツが囚われたとしても、ハートのスートの想いにかけて、オレは絶対お前のことを…。
なんて、
最後の日まで、ことばにするつもりはないけど。
「トレイ先輩のとこいこうぜ。少なくとも5個は食べないと割に合わない」
「育ち盛りだもんね」
「そういうこと!」