第7章 6杯目
…翌日。
「おっはよー、監督生グリム」
やけにテンションの高いエース。その後ろで、デュースが眠掛けをしている。
「おはよう、エーデュース。やけにテンション高いね?」
「まぁーね♪」
ニヒヒッと笑ったエース。
笑顔眩しーな。
「ところでさぁ?昨日ケイト先輩ってなにしてた??」
「うげ、朝からそれかよー。たまにはオレのことも気にしてくんない??」
笑顔から一変して、ムスーっとしている。
「んー。…髪切った?」
「切ってないわ!雑だろ」
「雑談だもん。ところでデュースは何でそんなに眠そうなの?」
「また他の男のことを!」
「ごめんごめん」
「いーけどさぁ?昨日一緒にポーカーしてさぁ、それで眠いんだよなぁ?」
「ポーカー?」
「そそ。今日の昼飯かけてね♪で、オレが勝って、今日はデュースの奢りっ!!」
楽しんだようでなにより。
「で、ケイト先輩のことなんだけど」
「本当お前そればっかり」
「だってさ、毎日一緒にいるのに話すネタなくない??」
「あるだろ、いろいろさぁ?」
「ポーカー何時までしてたの?」
「3時過ぎくらいかなー」
「夜の?」
「うん」
よくリドル先輩に怒られなかったなー。
と、首元をみる。
「オフられなくてよかったね?」
「よゆーっしょ?オレそういうのうま」
がしょんっとエースの首に現れたハートの首枷。
「エース、さっきの話聞かせてもらったよ」
と、後ろから聞こえた声。
いつもの3人の先輩だ。
「えー……」
「エース似合うね?」
「ひでぇ奴」
「エース、夜更かしはいけない。ハートの法律でもうんちゃらかんちゃら」
本当にうんちゃらかんちゃらって言ったわけではない。
リドル先輩かわいいけど、話長いんだもの。
…いい声だけど。
「それから、デュース。いつまで眠そうにしてるんだい?」
「う、はいっ!」
慌てて覚醒させてるデュース、エースに巻き込まれて災難だったね?
「リドル、2人とも反省してるみたいだし」
と、トレイクローバーおにーちゃん。
「トレイは2人に甘すぎる」
リドル先輩がむすーっとする。
…あらためて、可愛いな?言ったら首はねられるけど。
「そう言えば監督生ちゃん。オレになんか用?」