第6章 5杯目
「小エビちゃん達、仲直りできたかな」
「どうでしょう…さ、行きますよフロイド」
「何処に?」
「アズールに、店に出す食材勝手に使ったのバレたら、処分されてしまいますからね、」
「なに、ジェイド共犯になってくれるの?」
ゆっくりと立ち上がった片割れは、どこか晴れやかでその倍悲しそうな、よくわからない顔をしている。
「嫌です。僕には、試食させてくれなかったでしょう?悲しいです」
「あはは。あんな量じゃジェイド腹に溜まんねぇじゃん」
「そうかもしれませんね、フロイド、僕お腹すきました」
「あぁー……じゃあ、久々に唐揚げなんてどぉ?アズールに腹一杯食わせようぜ」
「ふっ、………面白そうです」
今はまだこのままで、片割れと、アズールと居られればいい。
憧れていた陸の上で、3人で楽しく過ごせればいい。
片割れを泡になんて、させまい。
持っていた資料が少し、シワになった。